1276円安と急落、新型肺炎への懸念強く全面安

9日午前の日経平均株価は大幅に続落し、前引けは前週末比1276円68銭安の1万9473円07銭だった。取引時間中ではおよそ1年2カ月ぶりに心理的節目の2万円を下回り、19年1月4日(1万9241円)以来の安い水準を付けた。
 
前週末の米国市場は、米国内で新型コロナウイルスの感染者数が増え続けていることが投資家心理を冷やし、主要株価指数はそろって下落した。これを嫌気する形で主力株をはじめ広範囲に売りが噴出する形となった。
 
東京外国為替市場で円相場が一時1ドル=101円台まで急上昇した。採算悪化懸念から輸出関連の主力株が軒並み急落するなど、円高進行に歩調を合わせた売りが膨らんだ。アジア株が軒並み大幅安となっていることもリスク回避の売り圧力を強めた。
原油安と円高の急速な進行が投資心理の悪化に拍車をかけ、ほぼ全面安の展開となった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も大幅に続落した。TOPIXは一時、16年11月以来およそ3年4カ月ぶりの低い水準を付けた。
 
市場関係者は「原油相場の急落を受け、産油国が財政赤字を穴埋めするために株式などの資産を売却することへの警戒感から、ろうばい的な売りが膨らんでいる」と指摘。「機械的な先物主導の売りに加え、国内外のファンドなど幅広い投資家がリスク資産を外す動きを加速させている」とみていた。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆5897億円、売買高は11億1376万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は2133と、全体の約98.5%を占めた。値上がりは22、変わらずは8銘柄だった。
 


業種別株価指数は33業種すべてが下落し、鉱業、石油・石炭製品、鉄鋼、証券・商品先物取引業、非鉄金属、サービス業の下落率が大きかった。
 
9日に東証1部に新規上場したフォーラムEは9時30分に公募・売り出し価格を280円下回る1030円で初値を付けた。午前終値は852円だった。
 
個別では、国際石開帝石が急落するなど石油関連が急落した。ソフトバンクグループが売られたほか、ファーストリテイリングが急落。ホンダやマツダなど自動車株も安い。金利低下を受け、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクの下げも目立つ。東京エレクトロン、村田製作所、日本電産なども大きく値を下げた。三菱商事が下落、コマツも安い。エスクリ、カーブスホールディングスなどストップ安に売られる銘柄も多かった。
 
一方、ニチレイが逆行高となったほか、シナネンホールディングスも買われた。
 
東証2部株価指数は前週末比395.17ポイント安の5693.33ポイントと3日続落した。
出来高5521万株。値上がり銘柄数9に対し、値下がり銘柄数が456と、全面安商状となった。
 
個別では、アイスタディ、児玉化学工業が一時ストップ安と急落した。JESCOホールディングス、KHC、三井金属エンジニアリング、南海辰村建設、森組など194銘柄は昨年来安値を更新。マーチャント・バンカーズ、川本産業、ラオックス、ウイルテック、マナックが売られた。
 
一方、Abalanceが一時ストップ高と値を飛ばした。ラピーヌは昨年来高値を更新。ササクラ、弘電社、日本製麻、光陽社、大丸エナウィンが買われた。
 

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