19日午前の日経平均株価は続落した。前日比124円29銭安の1万6602円26銭で前場を終えた。
取引開始前にECBが景気悪化への対策として大規模な資産購入計画を公表し、投資家心理が改善した。また、前日の大引け時点に比べて為替が円安方向に進んだことも日本株を支える材料となった。日経平均株価は先物主導で上昇。朝方には、前日比上昇幅が400円を超えた。
ただ、新型コロナウイルス問題の収束が見通せないなか、3月期末を前に国内の金融機関などから決算対策の売りが出て日本株相場を押し下げた。アジア各国・地域の株価指数が軟調に推移し、投資家心理を冷やした面もある。
ファンドがリスク資産を圧縮して現金化する動きを強めていることも、日本株相場の重荷になった。日銀が追加の国債買い入れオペ総額1兆円分を通知したが、相場への影響は限られた。
市場では「日経平均株価が続落となった一方、TOPIX(東証株価指数)は3日続伸した。
それぞれの指数への寄与度が高い銘柄が異なることから違いが出ているが、個別銘柄でも目先的な底入れを示す動きもみられ、少しずつ相場付きに変化がみられるようだ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続伸した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で2兆258億円、売買高は12億9080万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1035と、全体の47.8%。値上がりは1086、変わらずは44銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)では、鉱業、その他金融業、海運業の下落が目立った。上昇は陸運業、空運業、パルプ・紙など。
個別では、ソフトバンクグループの大幅な下げが続いている。前日ストップ高の富士フイルムホールディングスも利食われ安い。キーエンス、東京エレクトロン、日電産、ファナック、いすゞ、スズキなども売られた。IBJが急落、ランドビジネスは3日連続ストップ安。ビジョンも値幅制限いっぱいに売られた。
半面、トヨタ自動車、任天堂が高く、NTTドコモもが昨年来高値を付け上昇した。武田薬品工業も堅調。コンコルディが大幅高。日医工が一時ストップ高、栄研化学、アルフレッサ ホールディングス、第一三共や塩野義も値を飛ばした。
東証2部株価指数は前日比43.95ポイント安の5000.30ポイントと続落。
出来高3208万株。値上がり銘柄数は140、値下がり銘柄数は269となった。
きょう東証2部市場に新規上場した日本インシュは公開価格(940円)を71円(7.6%)下回る869円で初値を付け、777円で前場を終えた。
個別では、ヴィスコ・テクノロジーズがストップ安。中央ビルト工業、ギグワークス、ハイパー、クリヤマホールディングス、倉庫精練など37銘柄は昨年来安値を更新。金下建設、キャピタル・アセット・プランニング、フルスピード、青山財産ネットワークス、いい生活が売られた。
一方、コーア商事ホールディングスがストップ高。アウンコンサルティング、東京衡機、岡野バルブ製造、ヤシマキザイ、東京自働機械製作所が買われた。
