11日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比124ドル75セント(0.30%)高の4万0861ドル71セントで終えた。
8月の米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2.5%上昇と、伸びは5カ月連続で減速した。一方、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比0.3%上昇と予想を上回り、インフレの根強さも示唆する内容だったため、大幅な米利下げ観測がやや後退。米長期金利の上昇が嫌気され、ダウの下げ幅は一時740ドルを超え、8月中旬以来約1カ月ぶりに4万ドル台を割り込んだ。
市場では、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBの利下げ幅が0.25%になるとの見方が広がった。「9月会合では0.25%の利下げをし、労働市場が一段と悪化するようなら今後の会合でより大幅な利下げに動く可能性を残すだろう」(LPLファイナンシャルのジェフリー・ローチ氏)との指摘があった。
前日の米大統領選のテレビ討論会では、富裕層に対する課税強化を掲げる民主党のハリス副大統領が、共和党のトランプ前大統領よりも勝っていたとの見方も相場の押し下げ要因となった。
ただ、これまでの世論調査では両者の支持率が拮抗している。大統領選を巡る不透明感は引き続き根強く、株の買い手控えにつながる場面もあった。
主力株への売りが一巡した後、ダウ平均は下げ幅を縮小し、午後には上昇に転じた。「CPIを受けて大きく売られたが、短期的に下げが目立っているハイテク株を中心に買いが入った」との声が聞かれた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアが8%高で終えた。
ダウ平均の構成銘柄ではアマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、セールスフォースが上昇。アメリカン・エキスプレスやIBM、インテルも買われた。半面、トラベラーズやユナイテッドヘルス・グループ、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は下落した。
ナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比369.651ポイント(2.17%)高の1万7395.531で終えた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が4%高となった。アルファベットやメタプラットフォームズも高かった。
【シカゴ日本株先物概況】
11日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比455円高の3万6595円で終えた。
NYダウ平均は、朝方発表された8月の米消費者物価指数(CPI)でインフレの鈍化が確認されたとの見方から買いが優勢となり、反発した。
この日は米主要株価指数が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
36595 ( +825 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
36595 ( +825 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8193.94(-12.04)
11日のFTSE100種総合株価指数は続落し、前日比12.04ポイント(0.14%)安の8193.94で終えた。害虫駆除のレントキル・イニシャルに売りが膨らみ、指数の重荷となった。11日発表の7月の英実質国内総生産(GDP)を受け、英経済回復の勢いが弱まっているとの見方も投資家心理の重荷となった。
レントキルは前日比20%安で終えた。11日に公表した2024年12月期通期の税引き前利益(調整値)が市場予想を下回ったことが響いた。医薬品株や、英ユニリーバなど日用品株に売りが出た。住宅建設株も下げた。半面、英豪リオティントなど資源株の一角が買われた。原油先物相場の下落が一服したのを支えに、エネルギー株が上昇した。
FTSEの構成銘柄では、レントキルが20.06%の大幅安。システムキッチンメーカーのハウデン・ジョイナリーと住宅大手ビストリー・グループがともに1.83%安と売られた。一方、賭け屋大手エンテイン(4.06%高)や資産運用大手インターメディエイト・キャピタル・グループ(2.28%高)などが買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18330.27(+64.35)
11日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比64.35ポイント(0.35%)高の1万8330.27で終えた。前日に大幅安となった独BMWなど、このところ株価水準を切り下げていた自動車関連の銘柄に値ごろ感からの買いが入った。コメルツ銀行に買いが集まったのも指数を支えた。
コメルツ銀行株は前日比16.6%高で終えた。一方でドイツ銀行株は下げた。そのほか、半導体のインフィニオンテクノロジーズ、ソフトウエアのSAPといったハイテク関連の銘柄が上昇した。医薬・農薬大手のバイエルや公益株が売りに押された。
個別では、コメルツ銀行への買いは、イタリアの金融大手ウニクレディトが11日にコメルツ銀行の株式約9%を取得したと公表したことが材料となった。コメルツ銀行が16.55%高と急伸。自動車大手BMWが3.04%高、高級車メーカーのポルシェが2.39%高と続いた。
他方、製薬大手バイエルが2.19%安、ドイツ銀行が1.81%安だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7396.83(-10.72)
フランスCAC40種指数は0.14%安だった。12日の欧州中央銀行(ECB)の定例理事会を前に、大きな変動にはならなかった。
