29日午前の日経平均株価は続落し、午前の終値は前週末比119円95銭安の2万1538円20銭だった。
前週末の米国株市場ではNYダウなど主要株指数が高かったものの、企業の2019年4~6月期決算の発表が始まる中、製造業の業績悪化が嫌気され、相場全体の重荷になった。
香港や韓国株などアジア株市場が総じて売られていることや、外国為替市場で円が1ドル=108円半ばまで上昇し、輸出企業の採算が悪化するとの懸念から投資家心理が悪化した。短期筋が株価指数先物に断続的な売りを出した。
市場からは「東エレクやキーエンスの4~6月期決算を見て、景気敏感株の業績回復は市場が考えているより遅くなるのではないかとの思惑も重荷となっている」との見方があった。
日経平均は25日や200日など各移動平均線が集中し、下値支持線として意識される2万1400~2万1500円が視野に入っている。「この水準で踏ん張りが利くかどうかが今後の相場を占う大きなポイントになる」と指摘。株式相場は分岐点を迎えている形だろう。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は下落した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で8293億円、売買高は4億5415万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1186と、全体の約55%を占めた。値上がりは838、変わらずは124だった。
業種別では33業種中9業種が値上がり。1位は海運で、以下、電気・ガス、水産・農林、情報・通信が続いた。値下がり上位には電気機器、ゴム製品、金属製品が並んだ。
個別では、傘下の米携帯通信4位スプリントと同3位TモバイルUSの合併承認を受けソフトバンクグループ(SBG)は高く、1銘柄で日経平均を30円近く押し上げた。ソフトバ任天堂も買い優勢。富士通、日東電、塩野義は上昇した。ピー・シー・エーは一時ストップ高。低位株ではホクシンが物色人気となっている。幸楽苑ホールディングス、マックスなども急伸した
半面、キーエンスが大幅安、ファナック、東京エレクトロンも軟調。ファーストリテイリングが安く、京セラやTDK、ダイキン、日立製作所も値を下げた。東邦チタニウムが急落、バリューコマースも大幅安。日本テレビホールディングスも安い。
東証2部株価指数は前週末比10.20ポイント安の6687.84ポイントと続落した。
出来高7269万株。値上がり銘柄数は190、値下がり銘柄数は174となった。
個別では、北日本紡績、コマニー、都築電気、パス、児玉化学工業が売られた。
一方、エスティックが一時ストップ高と値を飛ばした。ブルドックソース、情報企画、リスクモンスター、JFEシステムズ、神鋼鋼線工業など11銘柄は年初来高値を更新。ウインテスト、エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート、ウェルス・マネジメント、ラピーヌ、マイスターエンジニアリングが買われた。
