ただ、協議内容を見極めたいとの思惑から売り買いが交錯。市場では「仮に80%に下がっても(中国製品は)禁輸状態と変わらない」との懸念も広がり、引けにかけて下げ幅が拡大した。
米国と中国は10日からスイスで貿易問題を巡る協議を始める。トランプ氏は9日のSNSへの投稿で、中国からの輸入品にかける累計145%の追加関税について「80%がよさそうだ」と表明した。大幅に引き下げる可能性があるものの、なお高い水準となる。「スコット(ベッセント米財務長官)次第だ」とも加えた。レビット米大統領報道官は、トランプ氏は具体的な数字を明らかにしたが、引き下げには中国側からの対応が必要になると説明している。
市場では米中協議について「貿易摩擦を和らげるような協定を結ぶ見通しになれば、株式相場は上昇する」との見方がある。一方で、協議が物別れに終われば、米中摩擦への警戒が再び高まる可能性がある。協議の結果を見極めたい雰囲気が強かった。
ダウ平均の構成銘柄では、アムジェンやメルクといった製薬株が下げた。セールスフォースやIBMにも売りが出た。半面、ボーイングとシェブロンが上げた。
ナスダック総合株価指数は小幅ながら3日続伸した。前日比0.777ポイント高の1万7928.916(速報値)で終えた。テスラが4.7%高で終えた。一方、メタプラットフォームズなどが安かった。
S&P500 5659.91 ( -4.03 )
NASDAQ 17928.92 ( +0.78 )
米10年債利回り 4.383 ( +0.006 )
NY(WTI)原油 61.02 ( +1.11 )
NY金 3344.0 ( +38.0 )
VIX指数 21.90 ( -0.58 )
【シカゴ日本株先物概況】
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
石油大手英BPに買いが集まった。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が9日に関係者の話として、同業の英シェルや米シェブロンといった複数の同業他社がBP買収を視野に数字を検討していると報じた。英シェルも上昇した。製薬などヘルスケアや、資源の関連銘柄に買いが優勢だった。
ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)などを傘下に持つ英インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)も上昇。同社は9日、2025年1〜3月期決算が増収となったのとあわせて、欧州エアバスと米ボーイングに航空機を計53機発注したと公表した。一方でたばこ株が下落。英BAEシステムズなど航空・防衛関連の一角が売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は続伸し、前日比0.64%高で終えた。欧州主要600社の株価指数であるストックス600も続伸し537.96と4月1日以来の高値で終えた。
