15日午前の日経平均株価は反落し、前日比117円56銭安の1万9521円25銭で前場を終えた。
前日のNYダウなど主要株指数が大きく買われたものの、東京株式市場では前日に日経平均がこれに先立って大幅高となっていたこともあり、目先利益確定の売りが優勢となった。
一時下げ幅は150円を超えた。ただ前日の米株高でやや投資余力が増した投資家も多く、一方向に売りを傾ける展開にはなっていない。取引開始から5分ほどで売り物は一巡し、その後は相場全体で小動きが続いたまま午前の取引終了を迎えた。
外国為替市場で円高・ドル安が進んだことへの懸念も市場で広がった。国際通貨基金(IMF)が14日公表した世界経済見通しで2020年の成長率予測をマイナス3.0%に引き下げたことで、経済の先行きへの不安感が高まった。
市場では「新型コロナウイルスの感染拡大の方向性で日米の違いが意識され始めている」との声も聞こえ始めた。米国では新規の感染者数が減少傾向にある一方、日本ではまだピークが確認できていないとし、経済活動の再開のタイミングに日米格差があるのではとの見方があった。これが、「米国株を買っても日本株は買いづらい状況を生んでいるのでは」と指摘する。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反落した
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆782億円、売買高は6億5301万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1595と全体の73.6%を占めた。値上がりは509銘柄、変わらずは62銘柄。
業種別株価指数(全33業種)は輸送用機器、銀行業、小売業が下落し、情報・通信業、電気機器、空運業は上昇した。
個別では、任天堂、ソフトバンクグループ(SBG)が高く、リクルートホールディングス、オリエンタルランド、東宝も堅調、神戸物産も買われた。HEROZが値を飛ばし、ツナググループ・ホールディングスも大幅続伸、有機合成薬品工業も大きく水準を切り上げた。
半面、ファーストリテイリングが冴えず、トヨタ自動車も値を下げた。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも売りに押された。テラスカイが急落、北の達人コーポレーションも大幅安となった。国際石開帝石や日製鋼が安く、ファミマや丸井Gも売られた。
東証2部株価指数は前日比1.23ポイント安の5560.60ポイントと反落した。
出来高3917万株。値上がり銘柄数は207、値下がり銘柄数は181となった。
個別では、東京ラヂエーター製造、Jトラストが年初来安値を更新。サイバーステップ、ぷらっとホーム、ASTI、日創プロニティ、アクロディアが売られた。
一方、木村工機がストップ高。ユーピーアールは一時ストップ高と値を飛ばした。鉄人化計画、パスなど3銘柄は年初来高値を更新。インスペック、テクノマセマティカル、キャピタル・アセット・プランニング、パシフィックネット、エスティックが買われた。
