115円高と続伸、円安好感し輸出株買い

7日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前日比115円26銭(0.41%)高の2万8031円15銭だった。取引時間中としては3月31日以来およそ2カ月ぶりに2万8000円の節目を上回った。東証株価指数(TOPIX)は14.30ポイント高の1953.41と続伸して午前の取引を終えた。
 
きょうはリスク選好の流れが続き、日経平均株価は続伸しフシ目の2万8000円台を回復した。前日の米国株市場ではNYダウやナスダック総合株価指数が反発したものの上げは小幅にとどまったことで、東京株式市場も朝方は上値の重い展開だったが、前場中盤から上値指向を強めた。
外国為替市場で約20年ぶりに円相場が1ドル=132円台まで下げ、輸出採算が改善するとの見方が支援材料になった。対ドルでの1円の円安進行が年間の営業利益を450億円押し上げるトヨタをはじめ、マツダやSUBARUなど自動車株が上昇した。自動車部品株や機械株にも買いが目立った。また、防衛関連株の物色人気が目立っている。
 
日銀の黒田東彦総裁は7日の参院財政金融委員会で、物価安定目標の実現に向け「現在のイールドカーブ・コントロールを軸とする強力な金融緩和を粘り強く続ける」との考えを改めて示した。
ただ、節目の2万8000円を上回ると海外の短期筋を中心に利益確定売りや戻り待ちの売りも出た。日本時間7日の米株価指数先物が軟調に推移していることもあり、日経平均は下げる場面もあった。
 
市場からは「時間外で米株先物が下げているが、円安のプラス効果が大きい。ただ、円安があまりにも進み過ぎると国内物価・消費に影響を与えることになり、望ましくない。先行きは世論をにらみつつ、相場はもみ合いになる可能性がある」との声が聞かれた。
 
 
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3025億円、売買高は5億8690万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1288と、全体の約7割を占めた。値下がりは473銘柄、変わらずは76銘柄だった。
 


 
 
業種別株価指数(33業種)では鉱業、輸送用機器、銀行業などが上昇。陸運業、不動産業、空運業などは下落。
 
個別では、NTNやジェイテクトが大幅高。ソフトバンクグループがしっかりした動き。大阪チタニウムテクノロジーズ、三菱重工業、川重、日立建機、コニカミノルも高い。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも堅調。三菱商事など商社株にも物色の矛先が向いている。豊和工業、カーリットホールディングスが急騰、芝浦メカトロニクス、東京計器も値を飛ばした。
 
半面、アドテストやレーザーテック、東京エレクトロンなど半導体関連が軟調、メルカリも売られている。Sansanは値下がり率トップとなった。マネーフォワード、ラクス、アステリアなども安い。NTTデータやトレンドも下落した。

 

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