113円高と続伸 ハイテク株高や円安で強含み

 
15日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前日比113円15銭(0.34%)高の3万3615円57銭だった。
 
きょう前場は売りと買いが交錯する展開となり、日経平均は前日終値を挟み方向感なくもみ合う展開となった。前日の米国株市場で米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表後にNYダウが一時大きく値を下げるなど不安定な相場となったことで、東京株式市場でも目先利益確定の売りを誘発し上値を押さえる展開となった。
 
ただ、下値では買い意欲が強く、海外投資家と見られる買いで前場取引後半は戻り足を強めた。米株市場で半導体関連株が買われたのを引き継いで、東京株式市場でも同関連株が総じて強さを発揮し、全体を押し上げている。
アドテストなど主力のハイテク株が軒並み高となり、日経平均を押し上げた。半面、米金融引き締めの長期化観測から、日経平均は下げる場面もあった。
 
円相場が一時1ドル=141円台前半と円安・ドル高に進んだことも、海外勢の断続的な日本株買いを誘った。日経平均はハイテク株高や円安を受けて前場中ごろからは強含む場面が目立った。
 
中国国家統計局が15日発表した5月の小売売上高は前年同月比12.7%増と、増加率が前月から縮小した。岡三証券の小川佳紀投資情報部長は「中国景気の回復の鈍さは懸念材料だが、中国株売り・日本株買いにつながる面もある」と指摘した。
 
市場では「日経平均株価は短期的な過熱感が警戒され、押し目を入れる場面もあるとみられるが、循環物色が続きそうだ」との声が聞かれた。
 
市場の関心はやはり前日の当欄で指摘したように、期待通りに米経済がソフトランディングできるかどうかにかかっていると思われる。今晩は米国で5月小売売上高や5月鉱工業生産、そして、6月ニューヨーク連銀製造業景気指数、6月フィラデルフィア連銀景況指数の景気指標が発表される。
 
これらの結果を受けて景気減速懸念が再燃しないかが焦点となろう。仮に市場予想を下振れると、前日に発表された米5月卸売物価指数(PPI)の市場予想を超える減速ぶりからも窺えるように、景気減速懸念が強まる可能性があり、積み上がった投機筋の円売りポジションの巻き戻しとともに円高・ドル安に振れる展開も想定される。本日は景気敏感株の株価が軟調だが、ソフトランディングの手掛かりをもう少し得るまでは安易な押し目買いには慎重になるべきだろう。

 

 


 
 
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。午前終値は前日比10.34ポイント(0.45%)高の2304.87だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1150億円、売買高は7億3194万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1160。値下がりは588、横ばいは85だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)は証券・商品先物取引業、海運業、その他金融業などが上昇した。下落は医薬品、電気・ガス業など。
 
個別では、ソシオネクストが大商いで値を飛ばしたほか、アドバンテストも物色人気に。三菱UFJフィナンシャル・グループも堅調。ニデックが高く、日本郵船など海運株が買いを集めた。TDKやダイキン、KDDIは上昇した。Link-Uが値上がり率トップに買われ、Hameeが急騰した。
半面、ソフトバンクグループが冴えず、第一三共、エーザイが大幅下落した。TOKYO BASEが急落、ブラスも大幅安。前日に続きJPホールディングスの下げも目立っている。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次