111円安と反落、値がさ株に売り

 
15日午前の日経平均株価は反落した。前日比111円26銭(0.40%)安の2万7491円51銭で終えた。
きょう前場は、取引開始時点では主力株をはじめ広範囲に買いが優勢となり日経平均は続伸して始まったが、その後は上値が重く、前場後半にはマイナス圏に沈んだ。前日の米国株市場では注目された1月の米CPIが事前予想から上振れたものの、ハイテク株には根強い買いが入り、NYダウは軟調ながらナスダック総合株価指数は高く引けるなど高安まちまちの展開となった。
 
外国為替市場で一時1ドル=133円台に入るなど円安も追い風材料に、東京株式市場では朝方は市場センチメントが強気に傾いた。だが、その後は利益確定売り圧力が顕在化し上値を押さえる形となっている。
 
日銀の次期総裁が4月以降、どのような金融政策の運営方針を取るのか「現時点では判断材料が乏しく、見通しづらい状況」との見方が多い。金融緩和政策の修正を進めるとの警戒が強く、株式市場には逆風になるとの声もある。日経平均は「2万7500円を上回る水準では国内機関投資家の売り姿勢が強い」との声もあった。
 
一方、円相場の下落は日本株の下支え要因となった。14日発表の1月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る伸びを示し、米政策金利の高止まり観測が高まった。円相場は一時1ドル=133円台まで下落するなど円安・ドル高が進み、日経平均は朝方に100円超上げる場面もあった。
 
今週もまだ重要な予定が控えている。今晩の米国市場では、米1月の小売売上高と鉱工業生産が発表される。ともに前回の12月分は前月比でマイナス、市場予想を下振れたことで昨年末にかけては景気後退懸念が強まる経緯があった。今回はどちらも前月比でプラスへの回帰が予想されているが、年始から過度な景気後退懸念は既に和らいできているため、今回の指標のプラス回帰が景気動向に関して投資家心理に与える影響は小さいだろう。むしろ、景気の底堅さが意識されれば、利上げ長期化の思惑を強める可能性があるため、注意しておきたい。
 
東証株価指数(TOPIX)は反落した。午前終値は前日比4.79ポイント(0.24%)安の1988.30だった。 

 


 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆4261億円、売買高は6億1673万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1147。値上がりは603銘柄、変わらずは84銘柄だった。
 
業種別株価指数(全33業種)では精密機器、サービス業、倉庫・運輸関連業の下落が目立った。上昇は保険業、銀行業、鉄鋼など。
 
個別では、レーザーテック、東京エレクトロンなど半導体製造装置の主力銘柄が朝高後に値を消したほか、リクルートホールディングスも下値模索が続いている。ソフトバンクグループが軟調、太陽誘電、資生堂、SBG、シマノの下げも目立つ。ソースネクスト、KPPグループホールディングスなどが急落した。
 
半面、日本製鉄が堅調、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも買いが優勢だった。チェンジ、ツバキ・ナカシマなどが大幅高となり、シチズン時計、日本ペイントホールディングス、楽天グループ、クボタが上昇した。

 

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