〔米株式〕ダウ、4日ぶり反落=米利下げ期待後退、ナスダックも安い
11日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、終値は前日比66ドル74セント安の5万0121ドル40セントだった。
労働省が11日発表した1月の雇用統計(季節調整済み)によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月比13万人増となり、市場予想(7万人増)を大幅に上回った。失業率は4.3%と、前月から0.1ポイント改善した。
雇用情勢の底堅さが示される中、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期の利下げ観測が後退。米長期金利が上昇し、一部の金融株やハイテク株などが売られた。
「労働市場は安定しつつあるようにみえる」との評価が目立った。10日発表の12月の米小売売上高や前週発表の雇用関連指標が想定以上に弱く、米景気や労働市場が急激に悪化しているとの懸念につながっていた。雇用統計を受けて米短期金利先物市場では今年前半を中心に利下げ予想確率が低下し、債券市場では2年債や10年債の利回りが上昇(価格は下落)した。
寄り付き直後は雇用情勢の改善を好感した買いが優勢になり、ダウ平均は300ドルあまり上昇する場面があった。景気敏感株や半導体関連などに買いが入った。
主力株への買いが一巡した後、ダウ平均は次第に上げ幅を縮めた。前日まで3日続けて過去最高値を更新しており、節目の5万ドルを上回る水準で高値警戒感や過熱感が意識された。ダウ平均は280ドルあまり下げる場面があった。
人工知能(AI)がソフトウエアやコンサルティング業務を手掛ける企業の脅威になるとの見方が改めて浮上し、ダウ平均の構成銘柄ではIBMやセールスフォースが売られた。ボーイングやJPモルガン・チェース、アメリカン・エキスプレス(アメックス)なども下げた。一方、キャタピラーやベライゾン・コミュニケーションズ、コカ・コーラは上昇した。
ナスダック総合株価指数は続落した。終値は前日比36.007ポイント安の2万3066.467だった。ソフトウエア関連銘柄の売りが目立った。一方、半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーなど半導体関連の一角が上げた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2%あまり上昇した。
〔ロンドン株11日 反発〕
11日の英FTSE100種総合株価指数は反発した。終値は前日比118.27ポイント高の1万0472.11と5営業日ぶりに最高値を更新した。米国とイランの緊張関係が続いていることを背景に原油先物が値上がりし、FTSE100種指数への寄与度が大きい石油株が買われた。
鉱業株も上昇した。11日の米株式相場が底堅く推移していることも投資家心理を支えた。公益や不動産関連に買いが優勢だった。他方、人工知能(AI)の浸透で業務の自動化などが進めば、提供するサービス・製品や収益が悪影響を受ける企業が出てくるとの警戒が根強い。連想の対象がソフトウエアから金融にも広がり、11日は資産運用関連の銘柄が売られた。
FTSEの構成銘柄では、産銅大手アントファガスタが6.09%高、石油大手BPが5.44%高、住宅大手パーシモンが5.30%高と相場をけん引。他方、保険会社セント・ジェームズ・プレイスは13.39%安と急落し、情報サービス会社RELXは6.20%安、賭け屋大手エンテインも5.23%安と売り込まれた。
〔ドイツ株11日 続落〕
11日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比131.70ポイント安の2万4856.15で終えた。人工知能(AI)による事業代替が進めば、既存のソフトウエア関連事業にとって逆風になりかねないとの警戒が再び強まった。
3次元(3D)画像システム大手の仏ダッソー・システムズが公表した2025年10〜12月期の売上高と26年12月通期の売上高見通しが弱いと受け止められ、ソフトウエア関連事業の不透明感が意識された。
26年12月期の業績見通しについて、やや物足りないとの受け止めがあった独コメルツ銀行が下落。防衛・航空関連も下げた。
DAXでは、25年10〜12月期の受注が市場予想を上回ったエネルギー大手シーメンス・エナジーが8.40%高、不動産大手ボノビアが2.83%高、エネルギー大手イーオンが1.88%高と買われた半面、通販大手ザランドは6.70%安、業務用ソフトウエア大手SAPは5.21%安、不動産検索サイト大手スカウト24は4.07%安で終了した。
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は4営業日ぶりに反落し、前日比0.17%安で終えた。ダッソー・システムズは前日比20.8%安で終えた。
