106円高と続伸、米長期金利の上昇一服

 
23日午前の日経平均株価は続伸し、前日比106円28銭(0.33%)高の3万1962円99銭で前場を終えた。
 
前日の米国株市場でNYダウが続落し、7月中旬以来の安値で終えた。手格付け会社が一部の米地方銀行を格下げしたのを嫌気し、金融株が下げた。東京株式市場でも銀行株が下げた。
朝方はリスク回避の売りが先行し日経平均株価は下値を試す展開となったが、寄り直後から押し目買い需要が活発で一貫して下げ渋る展開に。前場の取引前半の段階でプラス圏に切り返す動きをみせた。米株価指数先物が堅調な推移をみせ、アジア株市場も中国株は軟調ながら、香港株市場が頑強な値動きを示したこともあって投資家心理が改善した。
 
日本時間23日午前に米株価指数先物が堅調に推移したことが支援材料となった。市場では「節目の3万2000円を下回る場面では、押し目買いが入りやすい」との声が聞かれた。
 
引き続き75日移動平均線が上値抵抗線として作用しており、上値の重さは意識される。東証株価指数(TOPIX)は13週線を超えてきてはいるが、横ばいの25日線や50日線が上値抵抗線として作用している。
明日以降については、米エヌビディアの決算を契機に東証プライムの半導体銘柄が再び脚光を浴びる展開も予想されるが、大型のハイテク株だけではなく中小型株までを含めたグロース(成長)が広く買われる形となれば、投資家心理も一段と明るくなりそうだ。
 
 



東証株価指数(TOPIX)は続伸した。JPXプライム150指数は続伸し、前引け時点で2.53ポイント(0.25%)高の1014.53だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆2049億円、売買高は4億7361万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1182と、全体の6割超を占めた。値下がりは553銘柄、変わらずは99銘柄だった。

業種別株価指数(33業種)は電気・ガス業、パルプ・紙、鉄鋼、陸運業などが上昇。下落は卸売業、鉱業など。

個別では川崎汽船など海運株が買い優勢、ダイキン工業が上昇した。キーエンスも高い。ファーストリテイリングがしっかり、タツモが急騰、ノーリツ鋼機、エンビプロ・ホールディングスが値を飛ばした。味の素の食料品などが大きく上昇。中期経営計画を発表したエンビプロHDが急伸し、国内証券が目標株価を引き上げたノーリツ鋼機、関西電力も大幅高。JR東海は株式分割と株主優待拡充が評価され、マツダは26年3月期の米国販売台数目標に関する報道が材料視された。太平洋セメはティー・ロウ・プライス・ジャパンの買い増しが確認されている。
 
半面、レーザーテック、アドバンテスト、東京エレクトロンなど半導体製造装置の主力株が安く、ソフトバンクグループ(SBG)も冴えない。ネクステージが大幅安、IDOMも売られた。主要株主による全株式の売出しが嫌気された芝浦メカが急落し、不祥事に伴う社長の辞任を発表したタムロンも大きく下落。業績予想を下方修正した日清紡HDも売られた。

 

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