1日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前週末比104円32銭(0.26%)高の3万9687円40銭だった。
きょう前場はリスク選好の地合いとなり、日経平均は朝方に300円以上の上昇で3万9900円台まで上値を伸ばし4万円大台を指呼の間に捉えたが、その後は戻り売りに押され上げ幅を縮小した。為替市場で円安が進んでいることは全体相場に追い風として意識されるが、自動車やハイテクセクターなどこれを好感する動きは限られている。買い一巡後は主力株に利食い急ぎの動きも観測される。
日銀が1日に発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の業況判断指数(DI)が3月調査から改善したことも投資家心理を上向かせた。日銀の追加利上げ観測を背景に長期金利が上昇するなか、運用収益の改善を見込んで第一生命HDやMS&ADなどの保険株の上昇が目立った。
フランスでは6月30日、国民議会(下院)選挙の初回投票が実施された。ルペン氏率いる極右・国民連合(RN)が得票率で首位となったと伝わった。ただ、右派が勢力を伸ばすことは株式市場でもある程度織り込まれており、特に日本株の売り材料とはならなかった。
為替は、10時の値決め前のタイミングで1ドル161円10銭台まで円安ドル高が進行したが、昼頃は、160円90銭台と円安ドル高は一服。一方、注目のフランス下院選の結果を受けて、円安ユーロ高は加速。1999年の単一通貨ユーロ導入後、初となる1ユーロ173円台に突入した。ユーロやポンドなど欧州通貨のほか、豪ドルなどオセアニア通貨に対しても円安が進んでいることから、投機筋による円売りポジション構築は積み上がっているとの観測。後場の日経平均、TOPIXともに為替動向を睨みながらの展開となりそうだ。TOPIXが年初来高値をしっかりと更新できるか注目したい。
東証株価指数(TOPIX)も続伸した。前引けは13.71ポイント(0.49%)高の2823.34となり、3月22日に付けた年初来高値(2813.22)を上回った。JPXプライム150指数も続伸し、5.09ポイント(0.41%)高の1238.49で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9605億円、売買高は8億2506万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は900。値下がりは681、横ばいは64だった。
業種別では、海運業、保険業、石油・石炭製品、その他製品、卸売業などが上昇した一方、非鉄金属、パルプ・紙、化学、陸運業、精密機器などが下落した。
個別銘柄では、第1四半期決算上振れで通期予想を上方修正したJフロントが大幅続伸したほか、高島屋も好業績で買い優勢となった。また、川崎汽船、商船三井、日本郵船など海運株も上昇。このほか、第一生命HD、T&Dホールディングスなど保険株や、メルカリ、アマダ、オークマ、横河電機、日本製鋼所が買い優勢となった。
一方、レーザーテックは、CFO交代に伴い思惑的な売りが膨らんだほか、足元値を戻していた住友ファーマは短期的な売りに押された。このほか、レゾナック、テルモ、フジクラ、日産化学もさえない。
