103ドル高、利上げ懸念が後退

13日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比103ドル60セント(0.3%)高の3万4108ドル64セントで終えた。

 
朝方発表の11月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ長期化への警戒が和らいだ。もっとも、朝方に700ドルあまり上げた後は急速に伸び悩んで下げに転じる場面もあり、不安定な相場展開だった。
 
米労働省が13日発表した11月のCPIは前年同月比7.1%上昇にとどまり、5カ月連続で伸びが鈍化。市場の注目度が高い前月比では0.1%上昇と市場予想を下回った。エネルギーと食料品除いたコア指数も0.2%上昇と減速した。
 
市場では、「FRBは来年早々にも利上げを停止するだろう」と受け止められ、利上げ長期化への懸念が緩和。政策金利の到達点は5%を下回るとの見方が強まった。
 
2カ月連続で市場予想を下回り、FRBが金融引き締めを長く続けて米景気を冷やすとの懸念がやや後退した。株式を買う動きが先行して取引が始まった。債券市場では、長期金利が急低下。金利低下局面で買われやすいハイテク株が大きく上昇し、相場を押し上げた。
 
ただ、買い一巡後は相場の上値は重くなり、ダウ平均は午後に110ドルあまり下げる場面があった。「(14日に発表される)米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとの様子見姿勢が次第に広がった」といい、持ち高調整や利益確定の売りが出た。CPIがインフレ鈍化を示すとの観測から先回りした買いが入り、ダウ平均は前日も528ドル高で終えていた。
 
CPIを受けて米長期金利が前日の3.61%から一時3.4%台に低下し、顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトなど高PER(株価収益率)のハイテク株の買いを誘った。原油高を受けて石油のシェブロンも高い。インフレ懸念が後退し、消費関連株や景気敏感株の一角も買われた。一方、医療保険のユナイテッドヘルス・グループや製薬のアムジェンなど業績が景気の影響を受けにくいディエンシブのヘルスケア株が売られた。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比113.076ポイント(1.0%)高の1万1256.814で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズや検索サイトのアルファベットの上昇が目立った。
 


【シカゴ日本株先物概況】

13日のシカゴ日経平均先物は小幅に反落した。2023年3月物は前日比25円安の2万7970円で引けた。

11月の消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したことで、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化への懸念が後退した。外国為替市場で円高・ドル安が進み、指数を構成する主力輸出関連株が下げるとの思惑が先物の重荷となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を14日に控え、持ち高調整を目的とした売りも出やすかった。

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27970 ( +80 )

シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28000 ( +110 )

( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7502.89(+56.92)

13日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ56.92ポイント(0.76%)高の7502.89で引けた。13日発表の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ長期化観測が後退した。中央銀行の利上げ継続に伴う景気悪化への警戒感が和らぎ、資源株や金融株など景気敏感株に買いが入った。

個別では、指数構成銘柄の9割近くが上昇。資産運用大手インターメディエイト・キャピタル・グループが5.6%高と上昇率が最も大きく、オンライン食品販売オカド・グループが4.6%高、産銅大手アントファガスタが4.1%高、建機レンタルのアシュテッド・グループが3.8%高で続いた。

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14497.89(+191.2)

13日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日に比べ191.26ポイント(1.34%)高の1万4497.89で終えた。13日発表の米国の11月消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)が想定より早く利上げを停止する可能性が意識された。欧米中銀の積極的な金融引き締めが長期化することへの警戒感が和らぎ、エネルギー株やハイテク株など幅広い銘柄が買い直された。

個別では、通販大手ザランドが6.3%高、スポーツ用品大手アディダスが5.5%高、不動産大手ボノビアが5.1%高。一方、化粧品大手バイヤスドルフと高級スポーツカー大手ポルシェは0.8%安、自動車大手BMWは0.5%安と売り優勢だった。
 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 6744.98(+94.43)

フランスCAC40種指数は1.42%高だった。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制に向けた利上げペースを減速させるとの見方から、株式などリスク資産を買う動きが活発化した。

 

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