102ドル安と3日続落、利上げ継続への警戒

21日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比102ドル35セント(0.3%)安の3万3951ドル52セントで終えた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はこの日、連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーのほぼ全員が「年末までさらにいくらか利上げすることが適切と予想している」と、米議会で証言。「インフレ圧力は引き続き高い」として、追加利上げに前向きな姿勢を示した。
事前に伝わった発言内容を受け、取引序盤からダウは売り先行の展開だった。
米長期金利上昇を受けて割高感が意識されやすいハイテク株を中心に売りが膨らんだ。

ただ、売り一巡後はパウエル氏の発言で予想外のタカ派姿勢を感じられなかったと市場で受け止められ、中盤のダウはプラス圏に浮上した。
方向感に乏しい展開に転じた。米長期金利は上げ幅を削ったものの、この日はこのところの半導体株などの上昇を受けたハイテク株の売り圧力が強く、ダウは終盤に再び売りに押された。

市場では「前週のFOMC後の記者会見よりもタカ派的だった」との声が聞かれた。

これまで米株式相場の上昇をけん引してきた主力ハイテク株には目先の利益を確定する売りが出やすかった。ダウ平均の構成銘柄では顧客情報管理のセールスフォースが3%下げ、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルも安かった。金融のゴールドマン・サックスや映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど景気敏感株や消費関連株の一角も売られた。

ダウ平均は小幅に上昇に転じる場面もあった。ディフェンシブ株には資金が流入し、医療保険のユナイテッドヘルス・グループや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、製薬のメルクが高い。米原油先物相場の上昇を受け、石油のシェブロンも買われた。

ナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比165.095ポイント(1.2%)安の1万3502.199で終えた。半導体関連株が軒並み売られ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は6%安となった。アナリストが投資判断を引き下げた電気自動車のテスラは5%下げた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

21日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比460円高の3万3565円で終えた。日本株の先高観が根強く、買い優勢となった。NYダウは、米追加利上げへの警戒感が根強い中、ハイテク株主導で3営業日続落した。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
33565 ( -5 )

シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
33630 ( +60 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7559.18(-10.13)

21日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日に比べ10.13ポイント(0.13%)安の7559.18で取引を終えた。21日発表の5月の英消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る伸びとなり、高インフレ継続による英経済の減速懸念が重荷だった。半面、原油先物相場の上昇でエネルギーセクターが買われ、指数の下げは限定的だった。

個別では、包装資材大手DSスミスが5.96%安と下落幅トップ。段ボール大手スマーフィット・カッパ(5.46%安)、住宅大手パーシモン(4.14%安)が続いた。一方、石油大手BPは2.21%高、セメント大手CRHは2.07%高とそれぞれ上昇した。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16023.13(-88.19)

21日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落した。前日に比べ88.19ポイント(0.55%)安の1万6023.13で取引を終えた。欧米中央銀行の金融引き締め長期化による景気懸念が重荷だった。消費財や資本財、化学などの景気敏感銘柄に売りが出た。

個別では、医療大手メルクが2.74%の下落。郵便・物流大手ドイツポストが2.60%安、不動産大手ボノビアが2.06%安と売られた半面、スポーツ用品大手アディダスは4.27%高、素材化学大手コベストロは3.60%高と買われた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7260.97(-33.20)

フランスCAC40種指数は0.46%安だった。

 

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