21日のNYダウ工業株30種平均は前日比44ドル96セント安の2万4682ドル31セントと続落で終えた。
FOMC直後には買いが膨らみ、ダウ平均は250ドル高まで上げる場面があった。18年分の委員の金利見通しが市場の一部の予想に反して年3回で据え置かれたことが好感された。
米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25%引き上げ、年1.5~1.75%にすることを決定。米利上げペースが加速することへの根強い警戒感から反落した。
今年の利上げ回数については、3回とした昨年12月時点の想定を据え置いた。一方、前会合時に比べて年4回とする参加者の数が増えたほか、来年の見通しも引き上げられたため、利上げペース加速への警戒感が広がった。
金利が上昇すると投資妙味が薄れるハイテクや不動産関連を中心に売りが優勢となった。アップルが2.3%下げ、1銘柄でダウ平均を27ドルあまり押し下げた。
パウエルFRB議長は議長就任後、初の記者会見に臨んだ。緩やかな利上げを続ける姿勢を示すなど発言内容が新味に乏しいとして、相場の反応は目立たなかった。
ナスダック総合株価指数同19.017ポイント安の7345.285で終えた。欧州連合(EU)がIT企業に対して課税強化案を発表したのも嫌気され、アマゾン・ドット・コムやアルファベット(グーグル)などが軒並み下げた。
セクター別では、エネルギーや自動車・自動車部品が上昇する一方で家庭用品・パーソナル用品や食品・飲料・タバコが下落した。
個別では、食品のゼネラルミルズ(GIS)は、決算内容が嫌気され下落。航空大手のサウスウエスト航空(LUV)は、1-3月期の有効座席マイルあたり旅客収入を下方修正し、価格競争への懸念から軟調推移。同業のデルタ航空(DAL)、アメリカン航空(AAL)も軒並み売られた。
前日夕に四半期決算と同時に見通しの引き上げを発表した物流のフェデックスが買い先行後、相場全体の下げにつれて下げた。
一方で、ソフトウェアのミュールソフト(MULE)は、クラウドベースの顧客管理ソフトなどのセールス・フォース(CRM)による買収が報じられ上昇。2月の中古住宅販売件数が予想を上振れ、レナー(LEN)、DRホートン(DHI)など住宅建設関連銘柄が買われた。
原油先物相場の上昇を受けて、シェブロンなど石油関連株が高い。外部企業が会員情報を不正使用していたフェイスブックは3営業日ぶりに反発した。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,682.31-44.96
S&P500種
2,711.93-5.01
ナスダック
7,345.285-19.017
NY金(ドル/トロイオンス)
1,321.50+9.60
NY原油(ドル/バレル)
65.62+0.45
円・ドル
106.04 – 106.05-0.40
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。6月物は前日比150円安の2万1140円で引け、20日の大取終値を30円下回った。
米連邦公開市場委員会(FOMC)で18年の利上げは3回との見通しを維持し、結果発表直後は買いが先行した。その後は長期的な利上げ継続を見込む売りに押された。
この日の6月物安値は2万1125円、高値は2万1370円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21140 ( -30 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21180 ( +10 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は反落。前日20日の終値に比べ22.30ポイント安の7038.97で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。
個別では、DIYを展開する小売りのキングフィッシャーは1割安と大幅下落した。英経済の先行き不透明感などで業績低下の見通しを示したことが投資家心理を冷やした。アソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズやネクストなどの衣料小売り関連株も安くなった。
午後に入り、金融株に売りが広がった。銀行株、資産運用株はいずれもほぼ全面安、保険株も軒並み下落した。時価総額の大きいたばこ株と医薬品株の下落も株価指数の重荷になった。
半面、軒並み下落して始まった鉱業株と石油株が買い戻され、ともに全銘柄が上昇に転じた。午後に入り原油相場が大幅上昇したことで石油株は買われた。ロシアの鉄鋼大手エブラズ、鉱業のアントファガスタは3%強、上げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は続伸。終値は前日20日と比べて1.82ポイント高の12309.15だった。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて積極的な売買は手控えられ、前日終値付近でもみ合った。
堅調な業績成長が見込まれると一部通信社が報じたアディダスをはじめ、鉄鋼のティッセン・クルップ、工業用ガスのリンデが高かった。
一方でドイツ銀行が5%安と大幅下落した。ユーロ高が逆風などとの最高財務責任者(CFO)の発言が売り材料視された。航空のルフトハンザも安かった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5239.74(-12.69)
