3日のNYダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比146ドル51セント(0.5%)安の3万2001ドル25セントで終えた。
前日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、パウエルFRB議長が利上げへの積極姿勢を改めて示したことが尾を引き、この日の株価を下押した。パウエル氏は、政策金利の到達点が9月時点の見通しより引き上げられるとの見方を示したほか、利上げ停止を議論するのは「極めて時期尚早」と発言。12月以降の利上げペース減速の可能性が示されたことで膨らんでいた市場の楽観ムードが一気にしぼんだ。
ただ、4日朝に発表される10月の米雇用統計を見極めたいとのムードから午後にかけては下げ渋り、持ち高調整の買いで小幅に上昇する場面もあった。
FRBの利上げ長期化を織り込み、米長期金利は朝方に一時4.22%(前日終値は4.10%)に上昇した。金融政策の影響を受けやすい2年債利回りは4.74%と2007年以来の高水準を付けた。金利上昇で株式の割高感が強まり、ダウ平均は420ドル下げる場面があった。スマートフォンのアップルなど高PER(株価収益率)のハイテク株の売りが目立った。
売り一巡後はダウ平均は下げ渋り、小幅高に転じる場面もあった。米雇用統計では雇用者数の伸びが9月から鈍化すると予想されている。発表を受けて相場が動く可能性があり、様子見ムードが広がった。長期金利が4.1%台に戻したのも市場心理を支えた。航空機のボーイングなど景気敏感株に買いが入った。
ナスダック総合株価指数は4日続落し、前日比181.856ポイント(1.7%)安の1万0342.941で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや検索サイトのアルファベットなど主要ハイテク株への売りが目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
3日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比60円安の2万7255円で引けた。
米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な利上げへの懸念が重しとなり、4日続落した。米株式相場が下落し、日経平均先物にも売りが波及した。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27255 ( -385 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27260 ( -380 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7188.63(+44.49)
3日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ44.49ポイント(0.62%)高の7188.63で引けた。英イングランド銀行(中央銀行)のベイリー総裁が3日、利上げの最終到達点が市場の想定より低くなる可能性を示唆した。英金融引き締めが鈍化するとの期待から買いが優勢になった。
個別では、流通大手セインズベリーが7.0%高と相場をけん引したほか、石油・ガス開発大手ハーバー・エナジーが4.8%高、医療機器大手スミス・アンド・ネフューも2.9%高。半面、通信大手BTグループは8.9%安、工業・電子製品大手RSグループは7.3%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13130.19(-126.55)
3日のドイツ株価指数(DAX)は続落した。前日に比べ126.55ポイント(0.95%)安の1万3130.19で終えた。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め長期化観測が警戒される中、高インフレと金利上昇の継続を嫌気した売りが出た。
個別では、通信大手ザランドが8.1%高と急伸する一方、自動車大手BMWは4.7%安、香料大手シムライズは4.3%安、自動車部品大手コンチネンタルも3.7%安と売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6243.28(-33.60)
フランスCAC40種指数は0.54%安だった。米利上げペースの緩和観測が後退し、欧州市場でも株価の重しとなった。
