3連休明けの東京株式市場は、米国市場の上昇が追い風となった。米雇用統計など市場予想を下回る経済指標が続いたことから、金融引き締めの長期化への警戒が後退し、米国市場は主要株価指数が上昇。この流れが波及した格好となり、ヘッジファンドなどの短期筋による先物への買い戻しの動きが強まったことも支援材料となり、日経平均の上げ幅は一時800円を超えた。
急ピッチの上昇に対する利益確定は入りやすく、次第に戻り待ちの売り圧力が強まる可能性がありそうだ。
騰落レシオ(25日移動平均)で、前週の取引終了時点で日経225ベースでは82%、東証グロースは79%と80%を下回っていた。それを参考にすれば投資マインドはむしろ陰の極に近かった。ここで弱気になる必要はないということになる。一方、個別株を見るときょうのプライム市場の値上がり銘柄数は1260で全体の76%と8割にも届かず、総花的な上昇ではない。
「足もとではショートの溜まり具合など個別の需給関係が明暗を分けている」とする。森全体に目を向けることは確かに必要なことだが、全体指数に惑わされるということも往々にしてある。投資するのはあくまで個別株であり、素直に内容の良い銘柄に照準を合わせていくのが、ハイボラティリティ相場における王道といえるかもしれない。
物色面ではグロース株の動きが非常に良かった。きょうを境にグロース優位・バリュー劣位になるかというと、それは米国の金利次第。短期間で米国の10年債利回りは急低下したが、4.5%近辺で値動きが落ち着いてしまうようだとグロース株は買いづらくなる。一方、3%台に向けて低下基調を強めるようであれば、グロース株の深掘りが進むと思われる。
また、米金利が一段と低下してくれば、グロース・バリューの色がそれほどついていない銘柄にも買いが入りやすくなるだろう。
今週は7日にカンザスシティー連銀のシュミッド総裁やダラス連銀のローガン総裁の発言機会が予定されている。市場の行き過ぎた楽観的な動きを警戒する発言が出てくるのが注目されそうだ。一方、国内主要企業の決算発表は本格化しており、今下期の業績回復など良好な内容が示された銘柄には投資マネーが流入しているため、選別色の強い展開が続きそうだ。
日経平均はきょうの上昇で3万2000円や3万2500円の節目を難なく超えてきた。現状水準(6日終値は32708円)から1000円程度上昇すれば、年初来高値の3万3753円に到達する。まずは次の節目の3万3000円を早々に突破できるかに注目したい。
■上値・下値テクニカル・ポイント(6日現在)
34235.15 ボリンジャー:+3σ(13週)
33699.22 ボリンジャー:+2σ(26週)
33500.50 ボリンジャー:+2σ(13週)
33235.12 ボリンジャー:+3σ(25日)
32928.57 ボリンジャー:+1σ(26週)
32765.86 ボリンジャー:+1σ(13週)
32708.48 ★日経平均株価6日終値
32651.67 ボリンジャー:+2σ(25日)
32628.78 均衡表雲上限(日足)
32454.78 均衡表雲下限(日足)
32160.29 75日移動平均線
32157.92 26週移動平均線
32068.21 ボリンジャー:+1σ(25日)
32060.99 均衡表転換線(週足)
32031.21 13週移動平均線
31652.42 均衡表転換線(日足)
31627.11 均衡表基準線(日足)
31624.43 均衡表基準線(週足)
31484.75 25日移動平均線
31467.92 6日移動平均線
ローソク足はマド空けを伴って陽線を描き、株価下方では5日移動平均線が上昇を開始した25日線を下から上に抜いて短期ゴールデンクロス(GC)を示現。一目均衡表では、株価の雲上限越えと転換線の基準線突破と遅行線の強気シグナル発生が重なって三役好転が完成し、上昇局面入りを示唆した。25日線との乖離率は3.89%と過熱ラインの5%に届いていないが、本日までの4連騰による上げ幅は2011.52円と大きいため、短期急伸後に特有の反動安リスクの高まりにも留意が必要となろう。
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