米ダウ工業株30種平均は3日続伸。53ドル(0.14%)高の3万7710ドルで終え、連日で過去最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待を手がかりとした買いが相場を支えたが上値は重い。
朝方発表された米新規失業保険申請件数は2週連続で増え、件数は市場予想を上回った。市場ではインフレ懸念が後退し、連邦準備制度理事会(FRB)による来年3月の利下げ観測が強まった。物価高を抑えつつ景気後退を回避する「軟着陸」見通しも相まって、ダウは大半の銘柄が値を上げた。
ただ、年末で市場参加者が限られるためダウの上値は重かった。
ダウ平均の構成銘柄ではアナリストが目標株価を引き上げたスポーツ用品のナイキが高い。製薬のメルクなどヘルスケア関連も上げた。一方、航空機のボーイングや化学のダウ、石油のシェブロンなどが売られた。半導体のインテルや顧客情報管理のセールスフォースも下げた。
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに小反落し、前日比4.040ポイント(0.02%)安の1万5095.136で終えた。電気自動車(EV)のテスラが安い。中国のスマートフォン大手小米(シャオミ)がEVを発表し、中国市場での競争激化が意識された。1月に新しいゲーム向け半導体を発表すると伝わったアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は上げた。
S&P500種株価指数は小幅に5日続伸し、前日比1.77ポイント(0.03%)高の4783.35と22年1月以来の高値で終えた。一時は4793を付け、22年1月の最高値(4796)に迫った。
【債券】
米国債の7年債入札がさえない結果となり、米長期金利は3.8%台に上昇(価格は下落)した。前日までの入札が好調で急低下していただけに持ち高調整の売りもみられた。
【為替】
米国の週間の新規失業保険申請件数が予想以上に増加し、労働市場の過熱感が薄れ、インフレが沈静化するとの受け止めが広がった。中古住宅販売の指標も景気減速を示唆してドル売り材料となり、一時は1ドル=140円台前半まで円高ドル安が進んだ。7年債入札後に米長期金利が上昇し、141円台半ばまで円安に揺り戻した。
【シカゴ日本株先物概況】
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
原油先物相場の下落を背景に、英シェルなどエネルギー株が下げ、指数の重荷となった。
28日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反落し、前日比40.52ポイント(0.24%)安の1万6701.55で終えた。休暇に入っている取引参加者も多く取引が低調となるなか、持ち高調整や利益確定を目的とした売りが出た。
このところ上昇基調にあったドイツ銀行など銀行株が売られた。独メルセデスベンツ・グループなど自動車株の一角も下げた。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが0.97%安、高級車メーカーのポルシェが0.88%安、半導体大手インフィニオンが0.86%安と売られた半面、自動車部品大手コンチネンタルは0.60%高、航空機大手エアバスは0.30%高、化粧品大手バイヤスドルフも0.30%高と小幅ながら上昇した。
フランスCAC40種指数は0.48%安だった。年末を控えて薄商いとなる中、原油価格の下落を受けてエネルギー株に売りが出たほか、銀行株も軟調だった。
