23日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸した。前日比62ドル42セント(0.15%)高の3万9131ドル53セントで終え、連日で過去最高値を更新した。
相対的にみて出遅れ感のあった景気敏感株やディフェンシブ株が買われ、ダウ平均を支えた。一方、買いが先行したハイテク株には目先の利益を確定する売りが次第に優勢となり、相場の重荷となった。
前日にかけて上値が重かったバイオ製薬のアムジェンや医薬品・医療機器のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などの上昇が目立った。このところ米経済はソフトランディング(軟着陸)を達成できるとの観測に加え、米企業業績の成長期待も高まっている。投資家の運用リスクを取る姿勢が強まるなか、足元の相場上昇に出遅れ感のあった銘柄に買いが入った。
ダウ平均の上げ幅は200ドルを超える場面があったが、次第に上値が重い展開となった。
米半導体大手エヌビディアが21日に好決算を発表したことで、生成AI普及加速に伴う半導体需要の底堅さが改めて意識され、IBMなど半導体関連株の買いが優勢となった。
ただ、直近の株高を受けた利益確定の売りが出たため、ダウの上げ幅は縮小した。
26日からIT大手アマゾン・ドット・コムがダウ構成銘柄に採用される。同株は上昇基調にあることから、「ダウ相場をさらに押し上げる」との観測も浮上している。
米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始が想定よりも先延ばしされるとの見方から、買いが鈍った面もあった。ゴールドマン・サックスはこのところのFRB高官の発言や今週公表された1月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を踏まえ、最初の利下げ予想をこれまでの5月から6月に変更。年内の利下げ回数は従来予想の5回から4回に引き下げた。ウォラーFRB理事は22日夜の講演で、金融政策運営について「利下げの開始を急いではいない」と語っていた。
ダウ平均の構成銘柄では、IT(情報技術)のIBMや化学のダウ、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス、外食のマクドナルドも買われた。半面、スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトは安い。米原油先物相場が下落し、石油のシェブロンも売られた。
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比44.798ポイント(0.27%)安の1万5996.823で終えた。買いが先行し、一時は1万6134と2021年11月に付けた最高値(1万6057)を上回った。もっとも、前日に大幅に上昇した後で主力ハイテク株や半導体関連株には利益確定や持ち高調整の売りが次第に優勢になった。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は3%近く下げた。
S&P500種株価指数は小幅に3日続伸した。前日比1.77ポイント(0.03%)高の5088.80と連日で最高値を更新した。
【シカゴ日本株先物概況】
22日のシカゴ日経平均先物は大幅に上昇した。3月物は前日比1045円高の3万9455円で終えた。同日の東京株式市場で日経平均株価は史上最高値を更新。
NYダウ平均は、生成AI(人工知能)関連企業の成長期待を背景に半導体株が引き続き買われ、続伸した。
21日夕に好決算を発表した画像処理半導体のエヌビディアが急伸し、ハイテク株や半導体株を中心に買われた。日経平均先物にも買いが波及した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
39470 ( +350 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
39480 ( +360 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
23日のFTSE100種総合株価指数は続伸し、前日比21.79ポイント(0.28%)高の7706.28で終えた。
23日の米株式市場で主要3指数が上昇して始まったのも投資家心理を支えた。製薬大手アストラゼネカ株や、一部金融機関が目標株価を引き上げたと伝わった英インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)株が買われた。エネルギー株の下落は指数の重荷だった。
FTSEの構成銘柄では、23日に2023年10〜12月期決算とあわせて新たな自社株買い計画を示したスタンチャートが4.85%高で上昇率トップ。不動産サイト大手ライトムーブが1.85%高、製薬大手アストラゼネカが1.83%高で続いた。一方、保険会社セントジェームズ・プレイスは2.96%安、自動車保険のアドミラル・グループは1.40%安、資産運用大手シュローダーは1.34%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
23日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日比48.88ポイント(0.28%)高の1万7419.33と連日で最高値を更新した。米国株相場の上昇基調が続いており、投資家心理を明るくしている。
個別では、防衛大手ラインメタルが2.14%高、総合電機大手シーメンスが1.86%高、高級車メーカーのポルシェが1.85%高と買われた半面、
保険大手アリアンツは3.37%安と利益確定の売りに押された。半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは1.52%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは1.22%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場で、フランスの主要な株価指数であるCAC40も連日で最高値を更新した。23日まで8日続伸し、23日終値は前日比55.08(0.69%)高の7966.68だった。仏産業ガス大手エア・リキード株の上昇が目立った。ヘルスケア関連株にも買いが入った。
