8日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸した。前日比48ドル97セント(0.12%)高の3万8726ドル33セントと、連日で過去最高値を更新した。
前日の史上最高値更新を受けて利益確定売りが先行し、ダウは取引前半に一時130ドル超値下がりした。ただ、その後は前日に好決算を発表したウォルト・ディズニーなどに買いが入り、終盤にプラス圏に浮上した。
ソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体大手アームが急騰した影響で、半導体関連の一部銘柄もつれ高となった。米長期金利が上昇し、上値を追う動きは限定的だった。
ウォルト・ディズニーは11%高で終えた。前日夕に発表した2023年10〜12月期決算で1株利益が市場予想を上回り、自社株買い計画や増配なども好感された。1銘柄でダウ平均を75ドルほど押し上げた。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、英半導体大手アーム・ホールディングスも前日夕発表の四半期決算が市場予想を上回り、48%近く上昇した。人工知能(AI)需要による米企業業績の押し上げを示したと受け止められ、投資家心理を支えた。米経済指標や企業決算が予想から上振れすることは引き続き株買いを誘うとの見方もあった。
S&P500種株価指数は前日比2.85ポイント(0.05%)高い4997.91と過去最高値で終えた。一時は5000.40と心理的な節目として意識される5000を初めて上回った。相場上昇に乗り遅れまいと買いを入れる動きも、相場を支えた。
もっとも、相場の上値は重かった。足元の相場上昇を受けて目先の利益を確定する売りが出やすい。市場では「米連邦準備理事会(FRB)高官らの(金融緩和に前向きな)ハト派姿勢が後退しているほか、中東情勢を巡る地政学リスクの高まりも積極的な買いを手控えさせている」との声があった。
朝発表の週間の新規失業保険申請件数は21万8000件と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(22万件)を下回った。米労働需給は引き続き引き締まっているとの見方から、米長期金利は前日終値(4.11%)を上回る4.1%台半ばで推移する時間帯が長かった。金利の上昇で株式の相対的な割高感が意識されやすい面もあった。ダウ平均は100ドル超下げる場面があった。
ダウ平均の構成銘柄では、外食のマクドナルドやIT(情報技術)のIBM、顧客情報管理のセールスフォースが買われた。原油高を受け、石油のシェブロンも高い。一方、通信のベライゾン・コミュニケーションズや航空機のボーイング、クレジットカードのビザは売られた。
ナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比37.071ポイント(0.23%)高の1万5793.715と、22年1月以来の高値で終えた。半導体関連株の一角が買われたほか、電気自動車のテスラやネット検索のアルファベットが上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
8日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比815円高の3万7095円で終えた。
8日は米ダウ工業株30種平均が過去最高値を更新した。米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニー株が主導し、3日続伸した。
日経平均株価は約34年ぶりの高値をつけた。投資家心理が強気に傾き、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが入った。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
37095 ( +235 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
37115 ( +255 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7595.48(-33.27)
8日のFTSE100種総合株価指数は続落し、前日比33.27ポイント(0.43%)安の7595.48で終えた。終値としては2週間ぶりの低水準となる。8日公表した2023年10〜12月期決算で、利益水準が市場予想を下回った製薬の英アストラゼネカ株が大きく下げ、指数を下押しした。銀行や公益株にも売りが出た。
一方で、決算とあわせて保有するインドたばこITCの株式売却について前向きな姿勢を示した英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)と、自社株買い計画を公表した日用品大手のユニリーバの株価上昇が目立った。
FTSEの構成銘柄では、アストラゼネカが6.36%安、エネルギー小売り大手SSEが4.69%安、住宅大手パーシモンが4.31%安。一方、前日に売り込まれた包装資材大手DSスミスが9.78%高と急伸したほか、ブリティッシュ・アメリカン・タバコが7.12%高、段ボール大手スマーフィット・カッパも5.32%高となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16963.83(+41.87)
8日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比41.87ポイント(0.24%)高の1万6963.83で終えた。自動車や航空関連の銘柄が買われて指数を支えた。前日の米ハイテク株高などを支えに、テクノロジー関連株にも買いが入った。
ただ、このところの欧米の中央銀行高官の発言を受けて、欧米の金融政策が利下げに転換する時期が後ずれする可能性が意識されているのは投資家心理の重荷だった。不動産株などに売りが出て、DAXは前日終値を下回って推移する場面もあった。
個別では、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが3.98%高、自動車部品大手コンチネンタルが3.03%高、自動車大手BMWが2.84%高と買われた半面、製薬大手バイエルは3.33%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは3.07%安、セメント大手ハイデルベルクセメントは2.19%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7665.63(+54.37)
フランスCAC40種指数は0.71%高だった。企業の決算や業績見通しを手掛かりに売買が交錯した。
