18日の日経平均株価は中国市場に一喜一憂する値の荒い展開となった。朝方に日経平均株価が350円安と大幅安に売られたが、その後値を戻し一時プラス圏に浮上した。しかし、午後にかけ再び売り直され結局175円安で引けた。
「前場の段階では中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が底堅くスタートし、市場には安心感が広がった。ただ午後にかけ上海と香港市場が下げ相場となると、東京市場も先物に先導される形で売りが膨らんだ」という。
市場の関心を集めたのが中国不動産大手、恒大集団が17日に米国で破産法の適用申請を行ったことだ。恒大集団の経営不安は以前から話題となっており、新鮮味はないが「負債総額48兆円」という巨額さが改めて嫌気されたようだ。
今週は、大幅安となった。前の週に市場予想を上回る米7月生産者物価指数(PPI)を受けて米国の長期金利が上昇したことから、三連休明け14日の日経平均は400円を超える大幅下落。以降も米長期金利の上昇が続いたことから、神経質な地合いが続いた。16日も400円を超える下落となって3万2000円を下回ると、18日には一時3万1200円台に突入。
週間では4桁の下落となった。米金利上昇以外にも、フィッチによる米銀格下げ懸念や恒大集団の米国での破産申請などリスクオフを意識させるニュースが多く、グロース・バリュー問わず売られる展開。業種別では全33業種が下落した。
日経平均は週間では反落となり、約1022円の下落。週足では陰線を形成した。
来週は、軟調展開か。
国内は材料に乏しく、外部環境に神経質となる展開が想定されるだろう。
25日に毎年恒例の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」(米ワイオミング州ジャクソンホールで24-26日開催)を控える。世界の中銀総裁が集う同会議が最大の焦点であり、とりわけパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演(現地25日)への注目度は大きい。東京株式市場はこの前に1週間の取引を終えるため、心理的に不安定化しやすい。
ただ、ジャクソンホール会合におけるパウエルFRB議長の講演が始まるのは日本時間で金曜25日の夜23時05分からと伝わっており、この内容を来週には消化できない。
パウエル議長の発言が米国株の売り材料になる可能性もあることから、米国株も会合前に腰の入った買いは期待しづらい。エヌビディアが決算で買われるようなら国内半導体株には好影響が見込まれるが、米国の長期金利が上昇傾向にある点はグロース株には警戒材料だろう。
スケジュール的にリスク回避の売りに押されやすく、一時的な反発はあっても下落基調が続くと予想する。
■上値・下値テクニカル・ポイント(18日現在)
32434.33 25日移動平均線
32382.01 均衡表基準線(日足)
32334.05 13週移動平均線
32059.91 新値三本足陽転値
31990.94 ボリンジャー:-1σ(25日)
31952.27 75日移動平均線
31944.62 均衡表転換線(日足)
31936.01 6日移動平均線
31627.39 ボリンジャー:-1σ(13週)
31547.55 ボリンジャー:-2σ(25日)
31450.76 ★日経平均株価18日終値
31104.16 ボリンジャー:-3σ(25日)
31007.28 均衡表雲下限(日足)
30920.73 ボリンジャー:-2σ(13週)
30362.13 26週移動平均線
30214.07 ボリンジャー:-3σ(13週)
30202.91 均衡表基準線(週足)
29191.04 200日移動平均線
28218.77 ボリンジャー:-1σ(26週)
26952.26 均衡表雲上限(週足)
26941.21 均衡表雲下限(週足)
26075.41 ボリンジャー:-2σ(26週)
23932.04 ボリンジャー:-3σ(26週)
18日の日経平均は3日続落した。日足ローソク足は小陽線を描いたが、高値と安値も前日水準を下回るとともに、株価上方では5日移動平均線が下降角度を増した。週足では胴体部分が1000円を超える大陰線を描いたこともあり、売り圧力の強まりが窺える。25日線とのマイナス乖離率は3.03%と、売られ過ぎラインの5%に届かない一方で、東証プライム市場の騰落レシオ(25日ベース)は103.47%と中立圏中央の100%を上回っており、調整余地を残す格好となった。
目次
