9日の日経平均株価は続落して始まりそうだ。
引き続き、新型肺炎の流行拡大が懸念されるなか、買い手控えの動きが広がるとみられ、下値を試す場面も想定される。
日経平均の予想レンジは20200円-20550円。
前週末6日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比256ドル安の2万5864ドルで終えた。米ニューヨーク州など同国内で新型コロナの感染者が拡大しているほか、サンフランシスコ沖合に停泊している大型クルーズ船「グランド・プリンセス」での集団感染の可能性が懸念された。週末とあって売り方の買い戻しで下げ渋ったが、下げ幅を894ドルまで拡大する場面があった。
また、WTI原油先物が10%を超える大幅下落となっている。米国株は下げ渋ったものの、ドル円の105円割れや原油安を嫌気して海外ヘッジファンドなど短期マネーの売りを促す公算が大きい。心理的節目の2万円を意識しながら下値を探る展開となりそうだ。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、同6日の大阪取引所終値比280円安の2万430円だった。外国為替市場で円相場が一時1ドル=104円台前半まで急伸するなど、円高・ドル安傾向にある点も輸出関連銘柄を中心に軟調な動きを強いられそう。
半面、日銀による株価指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れの思惑は下支え要因となる。日経平均が大きく下落した前週末6日の東証1部の売買代金は2兆8335億円となった。前営業日の水準は上回ったが、2月28日(4兆1288億円)などと比べると売買は減少傾向にある。市場では「売買代金が縮小すると売りが収まってきたとの印象を与え、下値不安を和らげる」との声もある。
RSIや東証1部の騰落レシオなどオシレーター系指標は軒並み短期的な下げ過ぎ状態を示しており、大勢下落トレンドの中で短期的なリバウンドを見せる可能性もありそうだ。
日程面では、国内は寄り付き前に内閣府が2019年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値を公表する。QUICKが集計した市場予想では実質成長率が前期比年率でマイナス6.6%となっている。速報値(マイナス6.3%)からの下方修正が見込まれているが、速報値が既に大幅な悪化となっていたことから市場予想に沿った着地であれば改めて嫌気する動きは限られるとの見方が多い。
内閣府が午後に2月の景気ウオッチャー調査の結果を発表する。東証1部にフォーラムエンジニアリングが新規上場する。
【好材料銘柄】
■フィスコ <3807>
持ち分法適用関連会社のフィスコ仮想通貨取引所が新規口座開設の受付を再開。
■アイル <3854>
上期経常が3.2倍増益で着地、今期配当を4円増額修正。
■ミスターマックス・ホールディングス <8203>
2月既存店売上高は前年同月比13.4%増と2ヵ月連続で前年実績を上回った。
■三井松島ホールディングス <1518>
水晶デバイス用計測器・生産設備の製造販売を手掛ける三生電子の全株式を取得し子会社化する。
■弘電社 <1948>
今期経常を12%上方修正、配当も20円増額。
■ケア21 <2373>
11-1月期(1Q)経常は90%増益・上期計画を超過。
■コメ兵 <2780>
2月売上高は前年同月比3.2%増と増収基調が続いた。
■ユーグレナ <2931>
オーミケンシ <3111> [東証2]と共同で微細藻類ユーグレナの特有成分パラミロンを用いたパラミロンレーヨンの開発に成功し、特許を取得。従来のレーヨンと比べ、細菌に対する増殖阻害作用の向上などを確認。
■買取王国 <3181>
2月既存店売上高は前年同月比9.1%増と2ヵ月連続で前年実績を上回った。
■ジェイ・エス・ビー <3480>
4月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施する。今期配当を実質増額修正。
【主な経済指標・スケジュール】
9(月)
【国内】
1月経常収支(8:50)
10-12月期GDP改定値(8:50)
2月景気ウォッチャー調査(14:00)
《決算発表》
学情、萩原工業、ベルグアース、Bガレージ、ミライアル、日本スキー、ライクキッズ、B&P、ウイルコHD
【海外】
予定はありません
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
