今週は堅調展開となった。米国では長期金利が上昇傾向にあり、10年債利回りは4%台に到達した。ただ、米国株が大きくは崩れなかったこと、日本株は米金利の上昇局面で買われやすいバリュー株に資金が向かったことなどから、日経平均は木曜までは良くも悪くも落ち着いた動きが続いた。
しかし、要人発言から次回FOMCでの大幅利上げに対する警戒が後退し、米国株にも強い動きが見られたことを受けて、金曜3日に400円を超える大幅上昇。節目の2万8000円に接近し、この日の上昇が貢献して週間では大幅高となった。日経平均は週間では約473円の上昇となり、週足では4週ぶりに陽線を形成した。
来週(6-10日)の日経平均株価は、トレンド変化をにらみ、買い方有利の状況が継続する可能性があるだろう。
3日の日経平均株価は大幅反発し、2万7927円(前日比428円高)で引けた。1カ月以上続いたもみ合い相場から離脱し、昨年12月15日以来ほぼ2カ月半ぶりの高値水準に浮上した。米利上げペース拡大懸念が後退し、2日の米国株式市場で主要3指数が上昇。この流れを受け、上げ幅は一時460円を超え、積み上がっていた信用売りポジションの巻き戻しも加速しつつあるとみられる。
米金利上昇への耐性で、相場の潮目は変わった感がある。日本の場合は需給的なファクターも株価の上放れを後押ししたもよう。東証の信用売り残は2月24日時点で2年半ぶりに1兆円台に乗せており、3月末配当などの権利取りの要素を加味しても弱気派が多かったことがうかがえる。高値更新を続ける銘柄も少なくない中で、想定以上の地合いの強さが買い戻しをさらに促すことも考えられる。
ただ、7日には上院銀行委員会公聴会でパウエルFRB議長の発言機会がある。0.5%の利上げを織り込むような場合には、米国株は強めに売られることになると思われる。国内では黒田総裁では最後となる日銀会合が開催される。現状維持で無難に通過しそうでもあるが、サプライズ的な政策修正があれば、円高・株安が進む懸念はある。これら各種材料に一喜一憂することにはなるだろう。ただ、米雇用統計次第では流れが大きく変わる可能性もある。そのため、日本株、米国株とも日々値幅は出るけれども、方向感は定まらないといった状況が続く可能性もあるだろう。
直前2月6日の高値(2万7821円)を超えて年初底打ちからの上昇基調継続も確認。トピックスに至っては昨年11月高値にほぼ並ぶなど、米国で長期金利が上がり続ける逆風下の相場とは思えない基調の堅固。これで改めて13週、26週、52週各移動平均線が支持する(緩やかな)上昇基調にあることが確認できた。来週以降の日経平均は2万8000円の大台にチャレンジする強含みの展開になることも予想される。
■上値・下値テクニカル・ポイント(3日現在)
29211.98 ボリンジャー:+3σ(13週)
28650.38 ボリンジャー:+2σ(26週)
28496.75 ボリンジャー:+2σ(13週)
27977.05 ボリンジャー:+3σ(25日)
27947.53 ボリンジャー:+1σ(26週)
27927.47 ★日経平均株価3日終値
27821.49 ボリンジャー:+2σ(25日)
27781.52 ボリンジャー:+1σ(13週)
27738.76 均衡表雲上限(週足)
27665.93 ボリンジャー:+1σ(25日)
27544.31 6日移動平均線
27510.36 25日移動平均線
27503.65 均衡表転換線(日足)
27503.65 均衡表基準線(日足)
27485.74 均衡表雲下限(週足)
27354.80 ボリンジャー:-1σ(25日)
27303.38 200日移動平均線
27287.43 75日移動平均線
27244.69 26週移動平均線
27199.24 ボリンジャー:-2σ(25日)
27140.86 均衡表基準線(週足)
27104.32 新値三本足陰転値
27082.09 均衡表雲上限(日足)
27066.30 13週移動平均線
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