【寄り付き概況】
8日の日経平均株価は反発して始まった。始値は前週末比343円87銭高の2万9208円19銭。
前週末の米株式市場で良好な雇用関連指標の発表を受け主要な指数が軒並み上昇したことで安心感が広がっている。上げ幅は一時400円近くに迫る場面もあった。
5日発表の2月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数の伸びが37万9000人と市場予想を大きく上回った。米長期金利の上昇圧力にもなるが、まずは米景気回復への期待感が優勢となっている。バイデン米大統領による1.9兆ドル規模の追加経済対策が米議会上院で可決し、近く成立する見通しとなったことも東京市場で安心材料となった。日本時間8日朝のNYダウ工業株30種平均の先物が堅調に推移していることも支えとなっている。
投資家の押し目買いへの意欲も強まっている。5日の市場では取引時間中に50日移動平均線(5日時点で2万8500円台半ば)を下回ると買いが入る場面もあった。ファストリや半導体関連など、前週大きく下げた銘柄には買いが集まっている。
外国為替市場では円安・ドル高が進み、1ドル=108円台前半まで円が下落している。輸出企業の採算改善につながるとの見方も、市場の一部で日本株への買い安心感につながっている。
一方、米長期金利上昇への警戒感も根強い。前週末に米10年債利回りが1.6%台に再浮上したことで米株市場も波乱含みの動きとなる場面もあった。東京株式市場でも引き続き米長期金利を意識して安定感にかける地合いが予想される。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続伸している。
個別では、神戸鋼や日本製鉄が大幅高。トヨタ、ソニー、ソフトバンクG、武田も高い。東エレクも上昇している。原油高基調を受けて国際石開帝石も上げている。ファストリが買われている。
一方、NTTデー、川崎汽、商船三井、郵船はそろって下落している。ダイキン、リコー、シャープがさえない。
