【寄り付き概況】
9日の日経平均株価は続伸して始まった。始値は前日比204円13銭高の2万7488円65銭。一時250円ほど高い2万7500円台半ばまで上げた。
前日の欧米株高を受けて買い優勢のスタートとなっている。米国市場では、新型コロナウイルス感染者数のピークアウトに伴い、経済活動が正常化することへの期待から幅広く買いが入った。米長期金利の上昇を背景に大手金融株が買われたほかナスダック総合株価指数も高く引けたことで、東京市場でも投資家のセンチメントが改善している。
外国為替市場では1ドル=115円半ばまでドル高・円安が進んでいることも輸出セクター中心に追い風材料。個別では企業の決算発表が佳境入りとなるなか、好決算銘柄を中心に物色の矛先が向かいやすくなっている。ただ、あすにオプションSQ算出を控えていることもあって、米株価指数先物の動き次第では上下にボラティリティが高まる可能性があるだろう。
国内で発表が本格化している決算を手掛かりにした個別銘柄の物色も相場の支えだ。8日に2022年3月期の純利益予想を引き上げたJFEや住友鉱、日産自などに買いが入っている。
一方で日経平均が2万7500円を上回ると利益確定売りも出ている。国内では新型コロナウイルスの感染者数が依然として高水準で推移し、大阪府は8日に「医療非常事態宣言」を発出した。感染の急拡大に歯止めがかからなければ、経済活動への影響も再び意識されてくる。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続伸している。
個別では、8日に決算と英アームの売却中止を発表したソフトバンクグループ(SBG)が上昇。オリンパスやシャープが高い。IHIやAGCも買われている。半面、出光興産やENEOS、INPEXが下落している。
