14日の日経平均は反落。207円85銭安の28432円64銭(出来高概算9億8000万株)で取引を終えた。英国で新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染者が初めて死亡したことで、「オミクロン型」を巡る懸念が再燃。米国株安を映して、ハイテク関連株中心に売り優勢の展開。また、岸田首相が午後、自社株買いでガイドライン設定の可能性に言及したことを嫌気した動きも見られ、後場取引開始直後に一時2万8309円67銭まで下げ幅を広げた。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいと考える投資家も多く、売り一巡後は下げ渋る展開だった。
あすもまだ不安定な地合いが続くことになるだろう。そのような中、マザーズ指数が1000ポイントを割り込み、取引時間中と終値の両方で年初来安値を更新してしまった。今月後半のIPOラッシュで新興市場の需給が悪くなりそうということは前々から意識はされており、直近でもマザーズ指数が象徴的に売られる場面があった。先週は1000ポイント割れを回避して切り返したが、売り出尽くしとはならなかったようだ。
問題なのは、IPO以外の新興銘柄がどう扱われるか。足元では分かりやすく直近IPO銘柄が崩れているが、マザーズの売買代金上位の常連組もチャートが大きく悪化しているものが多い。
新興銘柄は大きく下げたからといってPERやPBRで妙味が出てくる銘柄が一気に増えるわけではないためやっかいだ。マザーズ指数の3桁が常態化するようだと、新興銘柄は月末にかけてもう一段厳しい場面を見にいくことになるかもしれない。またその際には、大型株にも悪影響が波及する可能性があるだろう。
明日15日の日経平均株価は見送りムードか。
現地14-15日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)を控え、結果を見極めたいとの空気が強まろう。ポジション調整売りが続く可能性もあり、上値は抑制されよう。一方、新型コロナウイルス変異型「オミクロン型」への警戒感もくすぶる。
イギリスで初めてオミクロン株による死者が確認され、13日の欧米株安や14日の日本株安につながった。WHO(世界保健機関)は同株についてデルタ株よりも重症化につながる可能性が低いというデータがあるものの、なお限定的で、一段のデータを見極める必要があるとしており、引き続き関連ニュースに揺れる可能性も残る。
また、日本時間午前11時には中国11月小売売上高、中国11月工業生産などの重要経済指標の発表も予定されており、中国経済の動向を見据える上で注視しておきたいところだ。
■上値・下値テクニカル・ポイント(14日現在)
29044.70 均衡表雲上限(日足)
28958.00 13週移動平均線
28901.19 25日移動平均線
28882.58 均衡表雲下限(日足)
28875.30 均衡表基準線(週足)
28869.74 200日移動平均線
28774.77 均衡表転換線(週足)
28774.77 均衡表基準線(日足)
28674.62 26週移動平均線
28612.39 均衡表雲上限(週足)
28592.10 6日移動平均線
28432.64 ★日経平均株価14日終値
28308.05 ボリンジャー:-1σ(13週)
28248.45 均衡表転換線(日足)
28214.64 ボリンジャー:-1σ(25日)
27753.37 新値三本足陰転値
27746.59 ボリンジャー:-1σ(26週)
27658.10 ボリンジャー:-2σ(13週)
27528.10 ボリンジャー:-2σ(25日)
27008.15 ボリンジャー:-3σ(13週)
26841.56 ボリンジャー:-3σ(25日)
26818.55 ボリンジャー:-2σ(26週)
ローソク足が4本連続陰線を引き、終値は下向きに転じた5日移動平均線を下回り、短期的な下落圧力の強まりを窺わせた。ストキャスティクスは%Kが20.54%、%Dが56.01%にそれぞれ低下したが、水準自体は底値圏示唆まで下げていないため、株価は下値余地を残している模様だ。株価上方では、ともに下向きの25日線が200日線まで31.45円に迫ってデッドクロス形成を窺っており、中長期ベースの形状悪化が懸念される。
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