「蝉」
蝉は世にでるために7年あまりの歳月を必要とするという。
株式投資も似たもののような気がする。
わかったつもりでも裏切られ、理解していたことが意味不明になって幾星霜。
ようやく株式市場の本質らしきものに触れたような気がしたのは50歳を過ぎてから。
大学を卒業して証券界に入ってから30年弱の時間を必要としたことになる。
そんなに難しいことに開眼した訳ではない。
気がついたのはたったひとつのことである。
それは「他人の意見を聞かない」。
それまでは、業界関係者や先輩の声をやたらと聞いていた。
「あの銘柄が良い、相場はこうなるだろう」。
それはそれで回り道ではなかろうが、所詮二次情報の集積。
油も汗も染み込んだ話だ。
そうではなく己の信じた相場感を磨くことに集中すれば、どうやら間違いが少なくなることに気がついただけのことだ。
たぶん2010年頃からだろうか。
「世にも奇妙な物語」は3年ごとに訪れるようになった。
2010年の春から初夏にかけて。
注目銘柄がガンガンストップ高となった。
Eストア(4304・H)、ビリングシステム(3623・M)、桧家住宅(1413・名2)、インフォコム(4348)、ザインエレ(6769)、京写(6837JQ)などなど。
次が2013年の春から初夏。
注目銘柄がバイオ系中心にやはりガンガンストップ高となった。
伏線は前年秋から25倍に急騰したカイオムバイオだったような気がする。
全体相場にアベノミクスと言う追い風もあったことは否めない。
銘柄的にはカナモト、カイオムバイオ、アールテックウエノ、IRジャパン、夢真、
コムチュア、システムインテグレーション。
カルビー・ポーラオルビスなども
挙句の果てにアスラポートダイニングのストップ高だった。
そして2016年春。
バイオ中心にガンガンストップ高もあったが加えてIoTというのも加わった。
過去3回とも7月頃まで続いた。
背景にあるのはやはり直接取材するという一次情報の取得だったのだろう。
2005年に「株式新聞Weekly」の編集長に就いた。
そして始めたのは週1回のトップインタビュー。
3年続いたから200社近くの様々な業種のトップにお会いした。
ラジオNIKKEIでのトップインタビューを始めたのは2008年頃。
週2回ずつ10年近く続いているから1000社近くになるのだろう。
気がついたのは「企業には訴えたいメッセージがある」ということ。
そしてトップには当然「野望と執念」があるということ。
その方向性を読み取ることで、難しい業態も意外とすんなり理解できるようになった気がする。
【広島カープリーグ優勝の年の日経平均】
1975年 14.18%
1979年 9.46%
1980年 8.33%
1984年 16.66%
1986年 42.61%
1991年 ▲3.63%
2016年 0.42%
【ホークス優勝の年の日経平均株価】
南海ホークス
1948年 株式市場再開前
1951年 62.95%
1952年 118.38%
1953年 4.22%
1955年 19.55%
1959年 31.25%
1961年 5.59%
1964年 ▲0.70%
1965年 16.55%
1966年 2.42%
1973年 ▲17.30%
福岡ダイエーホークス
1999年 36.79%
2000年 ▲27.19%
2003年 24.45%
ソフトバンクホークス
2010年 ▲3.01%
2011年 ▲17.34%
2014年 7.12%
2015年 9.07%
(兜町カタリスト櫻井)
