[概況]
11日欧米時間の外国為替市場において、欧州通貨が軟調な展開となっている。新型コロナウィルス感染拡大への対応として英中銀が緊急利下げを断行、政策金利を0.5%引き下げて0.25%とした。利下げを受け、英ポンド円は欧州時間に位置した136円台前半から134.00円付近(安値:133.80円)へと水準を落としている。
また、英中銀の利下げを受けて本日理事会が開催されるECBでも緩和拡大観測が広がり、ユーロ売り優勢の展開に。ユーロ円は、119円台前半から117円台半ばへと2円弱水準を落とし、本日安値を117.57円としている。いずれの通貨も、断続的とはいえ、明確な戻りを見せることなく下値を広げており、東京時間中も一段安の可能性には注意が必要となりそうだ。一方で、米ドル円は方向感の乏しい推移であった。WHOから新型コロナウィルスの感染がパンデミックの次元に入ったとの見解が示されたものの、市場は既に織り込んでいたようで、大きな反応は見られなかった。
他方で、12日日本時間10時より予定されるトランプ大統領による演説への関心が強く、演説内容を確認したい向きが積極的な売買を控えていたことも、値動きが限定的となった背景にあったようだ。
テクニカル的には心理的な節目となる105.00円の大台を巡る動きとなっており、終値ベースで同水準を超えられるかどうかで短期的なトレンドの方向性が決定づけられる可能性があり注視していたい。
[提供:カネツFX証券株式会社]
