続落9ドル安、米物価統計待ち

9日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比9ドル13セント(0.02%)安の3万8883ドル67セントで終えた。
 
翌日に3月の米消費者物価指数(CPI)や、先月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表されるのを前に、投資家の様子見姿勢が強まった。
市場ではFRBが6月に利下げを開始するとの観測が優勢だが、「CPIが予想より上振れすれば、利下げ開始が9月までずれ込むかもしれない」との見方があり、相場の重荷だった。
 
 
近く決算発表が予定される銀行株などをいったん手放す動きが広がった。
下げ幅は一時300ドルを超えたものの、大引けにかけては下げ幅を縮めた。
 
目新しい取引の材料が少ないなかで「CPIに加え、12日に本格的に始まる米大手銀の四半期決算内容を見極めたい雰囲気が強い」との声も聞かれた。
 
朝方はダウ平均が高く推移する場面があった。米債券市場で長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたとの見方から、ハイテク株を中心に買いが入った。
 
ダウ平均の構成銘柄では、ボーイングが2%弱安と下げが目立った。9日発表の2024年1〜3月の出荷の大幅減などが嫌気された。アナリストが投資判断を引き下げたアメリカン・エキスプレスも2%弱安で終えた。トラベラーズやJPモルガン・チェースなども下げた。半面、シスコシステムズやアップル、ユナイテッドヘルス・グループが上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は小幅に3日続伸した。前日比52.684ポイント(0.32%)高の1万6306.639で終えた。アルファベットは1%高だった。朝方に独自のCPU(中央演算処理装置)開発を発表したのが好感された。一方、エヌビディアは売られた。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 

9日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比150円高の3万9600円で終えた。
NYダウ平均は、翌日に米物価統計の発表を控える中を利益確定の売りが先行し、小幅続落したものの、日経平均株価は上昇して終えており、シカゴ市場の日経平均先物には買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
39600 ( -190 )

 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39640 ( -150 )

 
( )は大阪取引所終値比

 

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7934.79(-8.68)
 
9日のFTSE100種総合株価指数は反落し、前日比8.68ポイント(0.10%)安の7934.79で終えた。英BAEシステムズ、ロールス・ロイス・ホールディングスといった航空・防衛関連の銘柄に利益確定の売りが出て、指数を下押しした。航空宇宙事業などを対象とする投資会社のメルローズ・インダストリーズ株も下げた。

英国時間9日の取引で原油先物や貴金属が高く推移する場面があった。これを支えに、英BPなどのエネルギー株やスイスのグレンコアをはじめとする資源株には買いが優勢となり、指数を下支えした。

FTSEの構成銘柄では、航空・防衛大手BAEシステムズが4.52%安と下げを主導。航空機エンジン大手ロールス・ロイスが3.94%安、金融大手スタンダード・チャータードが3.75%安と、足を引っ張った。一方、産金大手フレスニロは3.96%高、保険会社セント・ジェームズ・プレイスは2.99%高だった。

 

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18076.69(-242.28)

9日のドイツ株価指数(DAX)は反落した。終値は前日比242.28ポイント(1.32%)安の1万8076.69と、約3週間ぶりの低水準となった。前日比の下落率は1月3日以来、約3カ月ぶりの大きさだった。

今年に入り株価水準を大きく切り上げてきた独ラインメタルや欧州エアバスといった航空・防衛関連株に利益を確定する目的の売りが出た。保険や銀行など金融株も下げた。9日の米株式市場で、主要な指数が下げているのも投資家心理の重荷だった。

個別では、防衛大手ラインメタル(6.89%安)や商用車大手ダイムラー・トラックが(4.01%安)、航空機大手エアバス(3.47%安)が売られた半面、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズ(3.76%高)や製薬大手サルトリアス(0.89%高)は買われた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 8049.17(-70.13)

欧州株式市場で、フランスの主要な株価指数であるCAC40も反落した。終値は前日比70.13ポイント(0.86%)安の8049.17と約1カ月ぶりの低水準となった。

 

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