続落4ドル安、引き締め長期化懸念

22日のNYダウ工業株30種平均は小幅に4日続落し、前日比4ドル81セント安の3万3946ドル71セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化し、景気が悪化することへの懸念が重荷となった。半面、ディフェンシブ株やハイテク株に買いが入り、下値は限られた。

FRBのパウエル議長は22日の上院銀行委員会で証言し、連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の大多数が年末までに2回の利上げが適切だと考えていると改めて言及した。この発言を受けて相場が下がったものの、「追加利上げは7月の金融政策会合で終了」との見方が根強いため、その後は買い戻された。

利上げのペースを巡り、パウエル議長は引き締めが行き過ぎないよう「注意深いペース」で行うと説明。市場関係者は「経済指標を見ながら3カ月に1回のペースになる」との受け止めが広がり、過度な景気後退懸念は和らいだ形だ。

欧州では、英イングランド銀行が22日、市場予想を上回る0.5%の利上げを決定。スイスとノルウェーの中銀も政策金利を引き上げた。世界的に金融引き締めが続く中で、「米国も再利上げは避けられないだろう」との声が聞かれた。市場の一部に残るFRBの利上げ打ち止め観測が後退し、米株の売りにつながった面がある。

ダウ平均の構成銘柄では、IT(情報技術)のIBM、石油のシェブロンが安い。部品会社のストライキで生産への懸念が出た航空機のボーイングの下げも目立った。

一方、前日に下げが目立ったハイテク株は全般に買い直された。ソフトウエアのマイクロソフト、顧客情報管理のセールスフォースが買われた。ディフェンシブ株の一角にも買いが入り、製薬のメルクや医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソンが上昇した。ダウ平均はプラス圏で推移する場面もあった。

ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発した。前日比128.410ポイント(1.0%)高の1万3630.609で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムが4%高だった。電気自動車のテスラも上げた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

22日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比120円安の3万3445円で終えた。同日の東京市場で水準を切り上げていた日経平均株価が下落し、米市場ではNYダウ工業株30種平均は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が追加利上げの可能性に改めて言及する中、横ばいで取引を終えた。
日経平均先物にも利益確定の売りが波及した。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
33445 ( +275 )

シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
33505 ( +335 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7502.03(-57.15)

22日のFTSE100種総合株価指数は4日続落した。前日に比べ57.15ポイント(0.76%)安の7502.03で取引を終えた。イングランド銀行(英中央銀行)の金融政策委員会は22日、政策金利を0.5%引き上げると発表した。0.5%の利上げは3会合ぶり。0.25%幅を予想していた市場参加者も多かった中、大幅な利上げが英経済の減速を招くことが警戒された。金融やエネルギー、素材など景気敏感銘柄が売られた。
個別では、通信大手エアテル・アフリカが5.19%安と下落率トップ。流通大手テスコは3.75%安、水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループは3.42%安と続いた。一方、米アマゾン・ドット・コムなどによる買収の可能性を報じられたオンライン食品販売大手オカドは32.05%高と急騰した。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15988.16(-34.97)

22日のドイツ株価指数(DAX)は4日続落した。前日に比べ34.97ポイント(0.22%)安の1万5988.16で取引を終えた。欧州の各国主要中央銀行が22日、政策金利の引き上げを発表し、この先も金融引き締めを継続する考えを示した。引き締め継続による景気減速懸念が重荷だった。消費財や金融、資本財などの景気敏感銘柄に売りが出た。
個別では、自動車が売られ、商用車大手ダイムラー・トラックは3.25%安、独自動車大手メルセデス・ベンツは2.3%安となった。日用品大手ヘンケルは1.9%安だった。他方、製薬会社サルトリアス(4.72%高)や通販大手ザランド(3.91%高)などが買われた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7203.28(-57.69)

フランスCAC40種指数は0.79%安だった。
英イングランド銀行(中央銀行)による予想を上回る利上げを背景に、広範囲で売りが優勢となった。

 

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