26日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比228ドル96セント(0.7%)安の3万3301ドル87セントで終えた。
米中堅銀行ファースト・リパブリック銀行は24日、多額の預金が流出していたことを発表。同行の株価は25日に続き、この日も大幅に下落した。これを受け、市場では金融セクター全体に不安が波及し、銀行など関連銘柄が売られた。
一方、前日夕発表の四半期決算が市場予想を上回ったソフトウエアのマイクロソフトは大幅高となり、ダウ平均は上げる場面もあった。
ファースト・リパブリックは30%下げた。24日夕発表の2023年1~3月期決算で大規模な預金流出があったことが分かり、26日は大手行への追加支援要請や新株発行を検討していると伝わった。前日に49%下げたが、この日も下げ止まる気配がなかった。JPモルガン・チェースなど大手金融が全般に売られ、上昇していた一部の地銀株にも売りが波及した。
信用状況の引き締まりが米景気に悪影響を及ぼすことが警戒された。ダウ平均では機械のハネウェル・インターナショナルなど景気敏感株の一角が売られた。原油安を受けて、石油のシェブロンも安い。製薬のメルクなどディフェンシブ株も下げた。
半面、マイクロソフトは7%上げ、ダウ平均を130ドルあまり支えた。25日夕に発表した23年1~3月期決算や4~6月期の売上高見通しが市場予想を上回った。26日の決算で売上高が市場予想を上回り、増産計画も併せて発表した航空機のボーイングも上げた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比55.194ポイント(0.5%)高の1万1854.351で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムが高い。27日夕に発表される決算で傘下のクラウドサービスが健闘するとの期待から買われた。半導体のエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)なども買われた。25日夕に決算発表したネット検索のアルファベットは横ばい圏で終えた。
【シカゴ日本株先物概況】
26日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比55円安の2万8315円で終えた。米銀の経営不安が景気減速につながるとの見方から同日のNYダウ工業株30種平均が下落し、日経平均先物にも売りが及んだ。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28315 ( -95 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28345 ( -65 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7852.64(-38.49)
26日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日に比べ38.49ポイント(0.49%)安の7852.64で終えた。外国為替市場で英ポンドが対ドルで上昇した。売上高に占める米国比率が相対的に高い医薬品や日用品の一角に通貨高を嫌気した売りが出た。
一方、銀行セクターは上昇した。2023年1~3月期決算で、税引き前利益が前年同期比21%増えたと26日発表したスタンダードチャータードが前日比2%高となるなど、ほかの銀行株にも買いが波及した。
個別では、蒸気システム大手スパイラックス・サーコが5.5%安と下落率トップ。製薬大手GSK(3.9%安)や同アストラゼネカ(3.7%安)も売られた。
グレンコア(2.6%高)やバークレイズ(1.6%高)など、資源株や銀行株は堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15795.73(-76.40)
26日のドイツ株価指数(DAX)は反落した。前日に比べ76.40ポイント(0.48%)安の1万5795.73で終えた。欧米中央銀行の金融引き締めによるグローバルな景気懸念がくすぶるなか、資本財や金融など景気敏感度の高いセクターが売られた。
個別では、防衛大手ラインメタル(5.
2%安)や化学品商社ブレンターク(2.2%安)などが売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7466.66(-64.95)
フランスCAC40種指数は0.86%安だった。
