続落198ドル安、金利上昇が重荷

6日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比198ドル78セント(0.6%)安の3万4443ドル19セントで終えた。午前発表の米経済指標が景気の底堅さを示す内容で、米長期金利が上昇(債券価格が下落)した。金利の上昇で相対的な割高感が意識されやすいハイテク株を中心に売られた。足元の原油価格の上昇がインフレや企業収益の悪化につながるとの懸念も引き続き株式相場の重荷となった。

米サプライ管理協会(ISM)がこの日発表した8月の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)は54.5となり、前月から1.8ポイント上昇。市場予想(ロイター通信調べ)の52.5を上回った。
個別項目では雇用や価格が前月から上昇した。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期に及ぶとの見方につながった。

6日の債券市場では米長期金利が上昇し、一時前日に比べ0.04%高い4.30%を付けた。金利の上昇によって、株式の相対的な割高感が強まり、高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に売りが出やすかった。

米原油先物相場は6日の取引で一時、1バレル88.08ドルとおよそ10カ月ぶりの高値を付けた。原油高が物価上昇圧力の高まりや企業のコスト増につながるとの見方が広がった。ダウ平均の下げ幅は300ドルを超える場面があった。

ダウ平均の構成銘柄では、スマートフォンのアップルの下げが大きかった。航空機のボーイング、外食のマクドナルド、金融のゴールドマン・サックスなどが下落した。半面、顧客情報管理のセールスフォース、化学のダウが上昇した。

ナスダック総合株価指数は3日続落した。前日比148.481ポイント(1.1%)安の1万3872.471で終えた。半導体のエヌビディアが3%安。電気自動車のテスラも下げた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

6日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比15円高の3万3125円で終えた。
市場予想を上回る米経済指標を背景にインフレと利上げ長期化への懸念が高まり、同日の米株式相場が下落したものの、東京株式市場で日経平均株価の上昇が続いたことでシカゴ市場でも先物買いが優勢となった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
33125 ( -115 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
33120 ( -120 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7426.14(-11.79)

6日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日に比べ11.79ポイント(0.16%)安の7426.14で取引を終えた。原油高による企業のコスト上昇や、インフレ圧力が緩和されにくいとの懸念が投資家心理を冷やした。医薬品や金融セクターに売りが出た。

半面、原油価格の高止まりでエネルギーセクターは上昇し、指数を下支えした。

FTSEの構成銘柄では、高級衣料のバーバリーが4.71%安、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が3.70%安、保険会社セント・ジェームズ・プレイスが2.27%安だった。
一方、化学大手ジョンソン・マッセイは3.70%高、会計ソフト大手セージは1.79%高、商業用不動産大手ランド・セキュリティーズは1.77%高となった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15741.37(-30.34)

6日のドイツ株価指数(DAX)は4日続落した。前日に比べ30.34ポイント(0.19%)安の1万5741.37で取引を終えた。足元の原油高がインフレ圧力の緩和を妨げるとの見方から、欧州中央銀行(ECB)が政策金利を長期間にわたり高水準にとどめるとの懸念が強い。ユーロ圏経済の減速が警戒され、自動車や小売りなど消費関連や金融、素材など景気敏感セクターに売りが出た。

個別では、通販大手ザランドが3.40%安、コメルツ銀行が3.27%安、ヘルスケア大手フレゼニウスが2.19%安と売られた半面、不動産大手ボノビアは2.04%高、電力大手RWEは1.34%高、セメント大手ハイデルベルクセメントは1.23%高だった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7194.09(-60.63)

フランスCAC40種指数は0.84%安だった。
欧州の景気悪化懸念が一段と強まった。中国経済の先行き不透明感も資源株や高級ブランド株などの売りを誘った。

 

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