続落187ドル安、利上げ長期化に警戒

7日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比187ドル38セント(0.6%)安の3万3734ドル88セントで終えた。

米労働省が朝方発表した6月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数が前月から鈍化し市場予想を下回った一方、平均時給は前年同月比4.4%増と高止まりするなど、インフレの長期化懸念が台頭。米連邦準備理事会(FRB)による年内2回の追加利上げの可能性が意識され、寄り付きは売りが先行した。その後は買い戻されたが、引けにかけて再び相場が下がった。

6月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比20万9000人増えた。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(24万人増)に届かなかったほか、4月と5月の増加幅も下方修正された。一方、平均時給の伸び率は前月比0.36%と、市場予想(0.3%)を上回った。失業率は3.6%と前月(3.7%)からやや低下した。賃金との連動性が高いとされるサービスインフレの鈍化に時間がかかると受け止められた。

ただ、下値は限られた。前日に発表された6月のADP全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者数が前月比49万7000人増と、市場予想(22万人増)を大きく上回っていた。労働市場の過熱感が警戒されていた後で、市場では「きょうの雇用統計はきのう浮上した懸念をやや和らげ、投資家心理をわずかに改善させた」との声も聞かれ、ダウ平均は上昇に転じる場面があった。

個別では、バイオ製薬のアムジェンや医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン、製薬のメルクといったディフェンシブ株を中心に売られた。半導体のインテルやスマートフォンのアップルも下落した。一方、建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエムは上げた。原油価格の上昇で、シェブロンなどの石油株も高かった。

ナスダック総合株価指数は3日続落した。前日比18.327ポイント(0.1%)安の1万3660.716で終えた。交流サイトのメタ・プラットフォームズや動画配信のネットフリックスが下げた。一方、ネット通販のアマゾン・ドット・コムは買われた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

7日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比15円高の3万2465円で引けた。前日にかけて大きく下げたため、押し目買いが優勢だった。

ただ、NYダウは堅調な内容となった米雇用統計を受け、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが長引くとの懸念から売りが先行し、3日続落した。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
32465 ( +35 )

シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
32520 ( +90 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

7日のFTSE100種総合株価指数は5日続落した。前日に比べ23.56ポイント(0.32%)安の7256.94と、2022年11月以来8カ月ぶりの安値で取引を終えた。イングランド銀行(英中央銀行)の利上げ継続が英国経済の減速感を強めるとの観測が強い。外国為替市場で英ポンドが対ドルで上昇したのも輸出関連銘柄の重荷となった。医薬品や消費財セクターの下落が指数を押し下げた。

個別では、情報サービス大手レレックスが2.92%安、品質検査会社インターテックが2.49%安、水道大手セバーントレントが2.33%安とそれぞれ下落。オンライン食品販売大手オカド・グループが7.01%高と上昇幅トップとなったほか、飲料大手コカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング・カンパニー(5.10%高)、化学大手ジョンソン・マッセイ(2.80%高)などが買われた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

7日のドイツ株価指数(DAX)は5営業日ぶりに反発した。前日に比べ74.86ポイント(0.48%)高の1万5603.40で取引を終えた。指数は前日に約3カ月ぶりの安値を付けており、主力銘柄の一部には、自律反発を期待した買いが優勢だった。7日発表の6月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数の伸びが市場予想に届かなかった。米利上げ長期化観測がやや和らいだのも、投資家心理の支えになった。化学や自動車、金融、ハイテクなどが買い直された。

個別では、化学株の上昇が目立ち、化学大手BASFが5.06%高、素材化学大手コベストロが2.97%高。コメルツ銀行が2.59%高と続いた。
一方、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが3.02%安、化粧品大手バイヤスドルフは1.48%安と売られた。

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.42%高だった。フランス株は4日続いた下げが一服し、化学株や金融株がけん引して反発した。

 

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