続落119円安、買い手控えも売り一巡後は下げ渋る

 

 
5日午前の日経平均株価は続落し、前引けは前日比119円52銭(0.36%)安の3万3303円00銭だった。日経平均は1990年3月以来およそ33年ぶりの高値圏にあり、利益確定売りが出やすかった。指数への寄与度が高いファストリの下げも重荷となった。
 
朝方から売り優勢に傾き、日経平均は3万3000円台前半で下値を探る地合いとなった。前日の米国株市場が独立記念日の祝日で休場だったことから買い手掛かり材料に乏しく、ETF分配金捻出のための売り圧力などが意識されるなか、手控えムードが強まった。日経平均は朝方に一時380円あまりの下げをみせる場面もあったが、その後は押し目買いが入り下げ渋っている。
 
ファストリは前日比3%ほど下げて1銘柄で日経平均を約110円下押しした。カジュアル衣料品店「ユニクロ」の6月の国内既存店売上高が7カ月ぶりに前年同月比マイナスとなり、嫌気した売りが出た。日経平均は寄りつき直後に380円ほど下げて、節目の3万3000円に近づく場面があった。
 
その後は急速に下げ幅を縮小した。東証株価指数(TOPIX)はプラス圏に浮上する場面もあった。金融緩和継続姿勢や国内景気の回復期待など日本株の買い材料は多く、押し目買い意欲が強かった。海運株や保険株は上昇した。
 
一部報道では国内個人投資家の株買い余力が増しているという。株高を受けた利益確定売りや新規の投資マネーの流入で、証券口座に預け入れた資金のうち投資に回っていない「待機資金」が15兆円超と過去最大となっているようだ。4日は高配当銘柄で構成する「日経平均高配当株50指数」は0.45%上昇し逆行高となるなど、全体相場が反落するなかでも個人投資家が積極的に押し目買いに動いていることが確認された。実際、月曜日の当欄でも述べたが、東証の投資部門別売買状況では、6月第3週(6月19日-6月23日)に個人投資家は3週ぶりに買い越しに転じており買越額は3446億円となった。
ただ、再度の記載となるが、海外投資家は13週ぶりに売り越しに転じている。海外投資家の売越額は3604億円で、株価上昇を受けたリバランスや持ち高調整に絡んだ売りが広がっている。ただ、今後このまま海外投資家の売り越しが継続して「海外投資家売り、個人投資家買い」の動きが続く場合は警戒感が広がっていきそうで、今後の投資家の動向には注意が必要だ。

 


 
 
業種別株価指数(33業種)では精密機器、陸運業、小売業の下落が目立った。上昇は海運業、医薬品、保険業など。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7570億円、売買高は7億3638万株だった。値下がり銘柄数は1139、値上がりは620、変わらずは76だった。
 
個別では、HOYA、三越伊勢丹、日揮HDが下落。レーザーテックが安く、ソシオネクストもやや売り優勢。ファーストリテイリングが値を下げたほか、三井物産なども売りに押された。インフォマートが大幅安、FOOD & LIFE COMPANIESの下げも目立つ。
 
半面、アドバンテストが買われ、ルネサスエレクトロニクスも高い。川崎汽船をはじめ海運株の上昇が目立つ。第一三共も急反発。大同メタル工業、ZHDも上昇した。ほか、今期2ケタ増益見通しや増配計画を好感されたアスクルが値上がり率トップに、イントラスト、エンシュウ、アークスなどが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。

 

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