【寄り付き概況】
30日午前の東京株式市場は、前日の米国株式市場でハイテク株中心のナスダック総合指数などが下落したことが嫌気され、売りに押されている。日経平均株価は前日比51円32銭安の2万6753円28銭と続落して始まった。東証株価指数(TOPIX)は、6.49ポイント安の1887.08で始まった。
前日の米国株市場ではNYダウが3日ぶりに反発したものの、ナスダック総合株価指数は小幅ながらマイナス圏で引けるなど高安まちまちの展開だった。パウエルFRB議長が米景気を失速させてもインフレ抑制を優先するとの見解を示すなど、FRBの金融引き締め強化への警戒感は拭えない。ただ、外国為替市場では一段と円安が進んでいることで、輸出株セクターには追い風材料となりやすい。きょうは月末で機関投資家のリバランスの買いが予想されていることも、日経平均の下値を支える要因として意識されている。
日経平均は3月末から6月29日までに3.65%下落した。月末と四半期末が重なり、機関投資家のリバランス(資産配分の見直し)に伴う買いが入る可能性が意識され、資金流入の期待が相場を支えている。
取引時間前に経済産業省が発表した5月の鉱工業生産指数(季節調整済み)の速報値は前月比7.2%低下した。QUICKがまとめた民間予想の中央値(0.3%)を下回ったが、株価の反応は限られている。
個別では、日野自や日産自、出光興産が下落。りそなHDや三井不、ソニーGが下げている。一方、ディーエヌエや第一三共、オリンパスが上昇。スズキや協和キリンが上げている。
