16日午前の日経平均株価は続落した。前日比234円64銭安の1万9315円45銭で終えた。前日の米株式相場が米経済指標の悪化や米銀行の減益決算を受けて大幅に下落し、投資家心理を暗くした。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大への懸念も根強く、日経平均の下げ幅は一時400円に迫った。
前日の欧米市場では、3月の小売売上高など米国の経済統計の悪化や原油先物相場の下落、ゴールドマン・サックスなど金融大手の業績不振といった三つの悪材料が「相場の足を引っ張った」形で新型コロナの米実体経済への悪影響が再確認された。東京株式市場でも、米国で顕在化した景気悪化シグナルが投資家心理を冷え込ませ、日経平均は下げ幅を広げた。
日経平均は前引けにかけて下げ渋った。後場に日銀が株価指数連動型上場投資信託(ETF)を買い入れるとの期待が支えとなった。足元の株価水準では国内外の機関投資家が売買を手控えており、「個人やヘッジファンドなどの短期売買が中心で、ある程度下げた局面では買いも入りやすい」との指摘があった。
ただ、日本国内では訪日外国人客の急減や百貨店売り上げの低迷が明らかになり、景気減速が確実視される状況に陥っている。日経平均は2万円を視野に入れる水準まで値を戻してきたが、実体経済の悪化が表面化し始めた環境では一段の上昇は期待しにくい。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で9971億円、売買高は5億9860万株だった。JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反落した。東証1部の値下がり銘柄数762、値上がりは1338銘柄、変わらずは67銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、輸送用機器、非鉄金属、銀行業の下落が目立ち、上昇は倉庫・運輸関連業、情報・通信業、鉱業など。
個別では、ファーストリテイリングが安く、トヨタ自動車も軟調。三井住友FG、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも値を下げている。SMCが売られ、資生堂、中外製薬なども下落した。RPAホールディングス、and factoryは大幅安。シスメックス、住友鉱、ホンダは安い。三菱重も売られた
半面、ソフトバンクグループ(SBG)が堅調。味の素が逆行高。NTT、中部電は買われた。神戸物産も買い優勢。エムスリーも上昇した。アトラ、OATアグリオがストップ高。セラクも大幅高に買われた。
東証2部株価指数は前日比33.26ポイント安の5524.20ポイントと続落した。
出来高5247万株。値上がり銘柄数は192、値下がり銘柄数は187となった。
個別では、木村工機が一時ストップ安と急落した。丸尾カルシウム、Jトラスト、京福電気鉄道は年初来安値を更新。キクカワエンタープライズ、ショクブン、テクノフレックス、恵和、テクノマセマティカルが売られた。
一方、スガイ化学工業、ビート・ホールディングス・リミテッドが一時ストップ高と値を飛ばした。パス、東邦化学工業、マルヨシセンター、大都魚類は年初来高値を更新。マナック、インタートレード、ネポン、インスペック、ユーピーアールが買われた。
