28日午前の日経平均株価は続落し、前日比219円安の2万3124円51銭で前場を終えた。
前場の東京株式市場は、中国の新型肺炎の拡大を巡る警戒感から前日のNYダウ工業株30種平均が大幅に下げ、主要株指数が大きく下落したことを受け主力株をはじめ広範囲に売られる展開となった。
海外短期筋による先物売りが膨らんだほか、中国の企業活動が停滞するとの見方から機械や電機などの中国関連株が売られ相場の重荷になった。
中国政府が感染拡大防止を目的に春節(旧正月)の連休延長を決め、中国景気の先行き不透明感が意識された。外国為替市場で円相場が1ドル=108円台後半を中心にした円高・ドル安水準で推移し、輸出関連株に売りが出た。下値では押し目買いも入り、やや下げ渋る場面もあった。
市場関係者からは「重症急性呼吸器症候群(SARS)は終息まで数カ月かかったため、今回も当面、投資家心理は上向かない」と警戒する声も出ており、当局発表や肺炎関連報道に相場が左右される展開が続きそうだ。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は下げた。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆165億円、売買高は5億4122万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1740と約8割を占め、値上がりは332、変わらずは87だった。
業種別株価指数(33業種)は、鉱業、鉄鋼、石油・石炭製品など全業種が下落した。
個別では、ソニーが安く、ダイキン、信越化、東京エレクトロンも軟調。キーエンス、日電産、日東電も売りに押された。KOAが大きく値を下げ、大幸薬品なども利食われた。銅など商品市況の悪化を受けて住友鉱が安い。が売られている。
半面、ニトリHDや任天堂、良品計画がしっかり、スズキが上昇。明治HD、資生堂も買い優勢、塩野義製薬も堅調。小野測器が一時ストップ高に買われたほか、インソースなども大幅高。
東証2部株価指数は前日比63.93ポイント安の7216.08ポイントと3日続落した。
出来高6334万株。値上がり銘柄数は118、値下がり銘柄数は287となった。
個別では、エスティックがストップ安。日創プロニティ、児玉化学工業、京進、リテールパートナーズは昨年来安値を更新。日本アビオニクス、アゼアス、トーヨーアサノ、川口化学工業、フマキラーが売られた。
一方、昭和化学工業がストップ高。新内外綿、川本産業、アサヒ衛陶は一時ストップ高と値を飛ばした。ファーマフーズ、オーミケンシ、リスクモンスター、いい生活、マナックなど9銘柄は昨年来高値を更新。アイケイ、東海ソフト、サイバーステップ、パシフィックネット、恵和が買われた。
