8日午前の日経平均株価は続落し、前日比154円78銭安の2万8212円17銭で前場を終えた。日米の景気の先行き懸念などから売りが優勢だった。半導体関連や空運株の下げが目立った。
きょう前場は、前日の米国株市場でNYダウなど主要株3指数がいずれも上昇したにもかかわらず、リスク選好ムードとはならなかった。国内で新型コロナウイルスのインド型変異株であるデルタ株の感染拡大が続いていることを警戒する売りが上値を重くした。政府が東京都に4度目の緊急事態宣言を発令する見通しにあることや、足もとではETFの分配金捻出に絡む売り圧力も警戒されている。
「7~9月期の国内景気回復が一段と難しくなった」声に加え、東京五輪開幕が約2週間後に迫るなかでの再発令となれば政局不安が強まるとの見方もある。米景気のピークアウト感も意識され、日本株には売りが出やすかった。
日経平均は上海や香港の株式相場の下げにつれて下げ幅を拡大する場面もあった。株価指数連動型の上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う売りが出やすいという国内の需給要因も重荷だった。
一方、金利動向などには影響を受けづらい内需株の一角に買いが入り、相場を下支えした。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆987億円、売買高は4億9321万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1202と、全体の約55%だった。値上がりは846、変わらずは129銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は鉱業、空運業、その他製品などが下落。上昇は海運業、機械、保険業など。
個別では、任天堂が大幅安、東京エレクトロンやレーザーテックなど半導体関連も軟調。ファーストリテイリング、アドテスト、エムスリー、TDKが下落した。コマツも安い。ペッパーフードサービスが大幅安、日本ペイントホールディングスの下げも目立つ。
半面、ダイキン工業が高く、KDDI、エーザイ、イオン、セコムも買われた。日立製作所も上昇した。ネクステージが急伸、ユーグレナ、OSGも買い人気を集めた。
東証2部株価指数は前日比37.13ポイント安の7683.95ポイントと続落した。
出来高は1億1840万株。値上がり銘柄数は124、値下がり銘柄数は257となった。
個別では、YEDIGITAL、ポラリス・ホールディングス、オーミケンシ、アゼアス、日創プロニティなど13銘柄が年初来安値を更新。ラオックス、ケミプロ化成、グローバルダイニング、ウイルテック、インスペックが売られた。
一方、ゼットが一時ストップ高と値を飛ばした。ブルボン、アップルインターナショナル、バイク王&カンパニー、日本化学産業、ベルテクスコーポレーションなど10銘柄は年初来高値を更新。トラスト、アサヒ衛陶、大同信号、フジコピアン、TBグループが買われた。
