続落、新型コロナによる企業業績への警戒

 
 
22日午前の日経平均株価は続落し、前日比230円45銭安の1万9050円33銭で前場を終えた。
前日の米株安を引き継いで下値模索の展開が続いた。新型コロナウイルスの感染拡大による経済や企業業績への影響を引き続き懸念するムードが強い。
原油先物相場の連日の急落で市場心理が冷え込み、短期筋の売りが広がった。下落幅は一時400円を超え、取引時間中としては2週間ぶりに1万9000円を割り込む場面もあった。
 
21日の米原油先物市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の6月物(22日から期近)が急落し、一時1バレル6ドル台になった。20日には当時期近だった5月物の価格がマイナスに転落した流れが続いた。新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞への懸念が一層深まり、同日の米国株の下落で投資家のリスク許容度が大幅に低下した。
 
市場の不安心理を反映し、日経平均株価を対象としたオプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックスは一時、45.24と6日以来、約2週間ぶりの水準に上昇した。市場で相場の先安観が強まりプット(売る権利)を買う動きが広まった。
 
もっとも、大幅に下げたところでは買いが入って下げ渋った。「原油安は景気悪化を想起させる内容だが目新しい材料ではない。利益確定の売りを出すための理由付けになっているのではないか」として、一段と売り込むには材料が乏しいという。
 
ただ、「原油安で一部の海外投資ファンドは大きな含み損を抱えているため、日銀のETF買いが観測されれば、換金売りをぶつけてくるかもしれない」という。米株先物の時間外取引の動向次第で日経平均が前場安値を下回る可能性もありそうだ
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続落した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で9187億円、売買高は5億6173万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1539と、全体の約7割を占めた。値上がりは563、変わらずは64銘柄だった。
 


業種別株価指数(33業種)は、石油・石炭製品、空運業、鉱業、ゴム製品などが下落した。上昇は海運業、パルプ・紙など。
 
個別では、原油安を受け、出光興産や日揮HD、国際石開帝石が売られた。横河電やカシオ、オリンパスも安い。東京エレクトロンも軟調。ソフトバンクG、富士フイルムホールディングスも値を下げた。FPGが急落、エイチ・アイ・エスも大幅安だった。
 
一方、午前の取引時間中に抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の中間体の製造・供給を始めると発表した宇部興が急騰した。任天堂が高く、アドテストが買われたほか、川崎汽や郵船も上げた。明治海運がストップ高で値上がり率トップに買われ、新日本科学も値幅制限いっぱいに買われた。
 
 
東証2部株価指数は前日比97.14ポイント安の5461.47ポイントと続落した。
出来高6343万株。値上がり銘柄数は104、値下がり銘柄数は300となった。
 
個別では、南海プライウッドが年初来安値を更新。大和自動車交通、省電舎ホールディングス、セキド、ヴィスコ・テクノロジーズ、恵和が売られた。
 
一方、大運が一時ストップ高と値を飛ばした。北日本紡績、リテールパートナーズは年初来高値を更新。土屋ホールディングス、ショクブン、アイスタディ、伏木海陸運送、玉井商船が買われた。

 

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