続落、原油先物マイナスを嫌気

21日午前の日経平均株価は続落した。午前終値は前日比310円35銭安の1万9358円77銭だった。
20日の米原油先物市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で史上初めて価格がマイナスとなり、経済活動が冷え込むとの懸念からリスク回避の売りが優勢だった。アジア株が総じて軟調なのに加え、新型コロナウイルスの感染拡大も引き続き懸念されている。
 
朝方は東証1部上場銘柄の9割近くが値下がりし、日経平均株価は前日比300円超の大幅安となった。朝方の売り物が一巡した後、下げ幅が縮小する銘柄が多かったが、前引けにかけて再び売りが厚みを増した。
時間外取引の米株先物安も売り要因となった。電子部品や情報通信といった主力セクターの銘柄を中心に一時押し目買いが入ったが、値戻しの勢いは弱かった。
 
もっとも日本時間21日午前のWTIの時間外取引で、マイナスになった期近5月物がプラスに転じたほか、6月物が堅調に推移するなど一時のパニック的な売りは収まったもようで、日経平均が下げ渋る場面もあった。
 
市場では「原油暴落は新型コロナウイルスによる世界経済の停滞ぶりを反映するもので、株式は当面、買いにくい」との指摘があった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続落した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で9318億円、売買高は5億6573万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1687と、全体の約8割を占めた。値上がり銘柄数は424、変わらずは55だった。
 


業種別株価指数(全33業種)は情報・通信業、小売業、電気機器、銀行業が下落し、医薬品と食料品は上昇した。
 
個別では、ソフトバンクグループが冴えず、ファーストリテイリングは大幅安。東京エレクトロンなども売られた。富士フイルムホールディングス、リクルートホールディングスなども軟調。第一生命HDやSOMPOも売られている。日揮HDや住友重、日製鋼も下げている。
 
半面、任天堂がしっかり、武田薬品工業も買い優勢。明治HDや花王が買われ、NTTやKDDIも上昇した。タカラバイオは大幅高に買われた。ウシオ電機が急伸、キャリアリンクも値を飛ばした。日本エアーテックも高い。20年1~3月期の連結最終赤字を発表したANAHDは朝安後、上昇に転じた。
 
東証2部株式指数は前日比36.41ポイント安の5603.41ポイントと3日ぶり反落した。
出来高4715万株。値上がり銘柄数は127、値下がり銘柄数は271となった。
 
個別では、日本インシュレーションが一時ストップ安と急落した。三井金属エンジニアリング、東京ラヂエーター製造は年初来安値を更新。富士ソフトサービスビューロ、ウイルテック、JMACS、鉄人化計画、カワセコンピュータサプライが売られた。
 
一方、セキドがストップ高。省電舎ホールディングス、栗林商船は一時ストップ高と値を飛ばした。リテールパートナーズは年初来高値を更新。TBグループ、ビート・ホールディングス・リミテッド、いい生活、兵機海運、バイク王&カンパニーが買われた。
 

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