続落 米株安で一時700円安 円下落は支え

19日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前日比373円33銭(0.96%)安の3万8708円38銭だった。
 
朝方はリスクオフ一色の展開で、日経平均は一時700円超の下げに見舞われる場面もあったが、その後は買い戻しなどが入り下げ渋る動きをみせている。前日の米国株市場はFOMCでの0.25%の利下げは織り込み済みだった一方、FRBの金融政策スタンスがタカ派寄りに傾いたとの見方が浮上し、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに大きく水準を切り下げた。18日夕に決算を発表した半導体メモリー大手の米マイクロン・テクノロジーが時間外取引で急落したことなどを背景に、東京市場でも東エレクなど値がさの半導体関連株が売られ、相場を下押しした。
 
これを受けて東京株式市場でもリスク回避目的の売りが噴出したが、外国為替市場では円安水準で推移しており、これを拠りどころに下値抵抗力を発揮した。まもなく発表される日銀金融政策決定会合の結果を見極めたいとのニーズは強いが、前日まで日経平均は4日続落していたこともあって、目先ショート筋の手仕舞い買い戻しが作用した形だ。
 
売り一巡後は円急落に歩調を合わせた海外投機筋の先物買いなどが入り、日経平均は下げ幅を縮小した。FRBの利下げペースが鈍るとして米金利の先高観が強まっており、円売り・ドル買いが広がった。日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えた買い戻しも支えとなった。市場では「今回の会合で政策金利が据え置かれた場合は、イベント通過の安心感から午後は下げ幅を縮小する展開になるのではないか」との声が聞かれた。
 
日銀金融政策決定会合の結果発表が何時頃に伝わるか、市場で注目されている。未明に発表されたFOMCの結果を踏まえたデータの精査や、1998年以降の25年間に実施された非伝統的な金融緩和策を総括する「多角的レビュー」公表など議論することが盛りだくさんのため、発表は遅くなるとの見込みだ。市場では、発表時間が遅くなると思惑先行で先物、為替市場が反応する可能性もあるだろう。
後場の東京株式市場は、思惑先行の展開で荒い値動きとなる可能性はある。日経平均は一気に切り返す可能性もあれば、一段安となる可能性もあるため、乱高下には警戒したい。
 

 



東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは13.34ポイント(0.49%)安の2706.53だった。JPXプライム150指数は続落し、7.60ポイント(0.63%)安の1201.64で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1394億円、売買高は12億1629万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は943。値上がりは645、横ばいは54だった。
 
業種別では、電気・ガス、非鉄金属、不動産、石油・石炭製品、電気機器などが下落した一方、海運、その他製品、倉庫・運輸関連、繊維、食料品などが上昇した。
 
個別では、ナスダック大幅安を受けて、売買代金トップのディスコや売買代金上位にランクインしたアドバンテスト、ソシオネクスト、レーザーテック、東京エレクトロンなど半導体製造装置関連が軟調。ソフトバンクグループも売られる展開に。リクルートホールディングスが安く、住友林業も大幅に値を下げた。東邦亜鉛の下げも目立つ。
また、昨日買い優勢となった三菱自やマツダなど自動車株の一角が反落、ホンダは続落で年初来安値を更新した。このほか、東京建物、住友不動産、三菱地所、三井不動産など不動産株が弱い。
 
半面、昨日ストップ高となった日産自動車は一時、前日比マイナス圏に突入するなど乱高下の末、上昇した。半導体関連では直近IPOのキオクシアホールディングスが頑強な値動き、IHI、ヤマトHD、NTN、住友化学、アサヒ、キヤノンなどが上昇した。任天堂の強さも目立つ。日本郵船、川崎汽船など海運大手も強い。シード、And Doホールディングスがストップ高人気になっている。

 

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