続伸71ドル高、FOMC議事要旨好感

19日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比71ドル25セント(0.15%)高の4万4627ドル59セントで終えた。
 
ディフェンシブ株の一角に買いが入り、指数を支えた。ただ、トランプ米政権の関税政策への警戒が根強く、ダウ平均は下げる場面があった。
 
米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、一部の参加者が連邦準備制度理事会(FRB)による量的引き締めの減速や一時停止の検討を呼び掛けたことが分かった。これを受けて米長期金利が低下。
保有する米国債などの資産を圧縮する量的引き締め(QT)の一時停止または減速を検討することが適切とする意見もあった。QTの方針変更の可能性が緩和的と受け止められ、株買いを促した。
医療や生活必需品の関連株を中心に買われ、主要株価指数はいずれも取引終盤にプラス圏に浮上した。
 
ダウ平均の構成銘柄では、メルクやユナイテッドヘルス・グループ、トラベラーズが上昇した。
 
ダウ平均は一時240ドルあまり下げた。トランプ米大統領は18日、4月にも公表する輸入自動車への追加関税について「25%くらいになるだろう」と述べた。半導体や医薬品にも追加関税を課す考えを表明した。関税強化が貿易戦争や米国のインフレ再燃につながるとの懸念がくすぶっている。ただ、即時の関税発動は見送られており、株売りの勢いは次第に弱まった。
 
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、ベライゾン・コミュニケーションズやジョンソン・エンド・ジョンソンが買われた。量子コンピューター向けチップを開発したと発表したマイクロソフトも上げた。半面、セールスフォースやホーム・デポが売られた。
 
ナスダック総合株価指数は小幅に5日続伸した。前日比14.992ポイント(0.07%)高の2万0056.253で終えた。テスラやアルファベットが上昇した。
 
S&P500種株価指数は続伸した。前日比14.57ポイント(0.23%)高の6144.15で終え、連日で最高値を更新した。
 

 


【シカゴ日本株先物概況】
 

19日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前日比315円安の3万8985円で終えた。
この日は米S&P500種株価指数が最高値を更新したものの、日経平均株価が下落していた流れを引き継ぎ、シカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38985 ( -185 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39005 ( -165 )
 
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

19日の英FTSE100種総合株価指数は続落し、前日比54.20ポイント(0.61%)安の8712.53で終えた。19日発表された1月の英消費者物価指数(CPI)で前年同月比の上昇率が市場予想を上回り、英イングランド銀行(中央銀行)が利下げ判断に慎重になるとの見方が強まった。決算など個別の材料を踏まえた売りが出たほか、米関税政策を巡る不透明感も重荷だった。
 
FTSEの構成銘柄では、2024年12月期決算が赤字に転落した資源大手グレンコアが7.28%安と急落。格安航空大手イージージェットが3.92%安、小売り大手JDスポーツ・ファッションが3.41%安で続いた。一方、日用品・食品大手ユニリーバは1.41%高、エネルギー大手SSEと投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスは共に1.16%高と買われた。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数

19日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反落し、前日比410.87ポイント(1.79%)安の2万2433.63で終えた。米政権による関税政策が欧州経済に悪影響を及ぼす可能性が改めて意識された。
 
個別では、一部金融機関が投資判断を引き下げたと伝わったセメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが5.51%安、化学大手BASFが4.45%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーが4.40%安と下げを主導。半面、エネルギー大手イーオンは0.61%高、防衛大手ラインメタルは0.50%高、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは0.49%高となった。

■フランス・パリ株価指数
 

フランスの株価指数CAC40は8営業日ぶりに反落し、前日比1.17%安で終えた。
仏エルメス・インターナショナルなどの消費関連が下げた。他方、スイスの半導体大手STマイクロエレクトロニクスが上昇。電子機器のタレス、航空機エンジン大手サフランといった防衛関連の一部銘柄が上げた。

 

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