続伸47円高、米株高を好感

 
13日午前の日経平均株価は続伸し、前日比47円00銭(0.16%)高の2万8589円11銭で終えた。米国の過度なインフレ懸念がやや後退し、前日の米株が上昇したことを受けた買いが優勢だった。日経平均は前日に終値で半月ぶりの高値を付けており、利益確定売りなどに押されて下げに転じる場面もあった。
 
朝方から買い優勢の展開で日経平均はプラス圏で推移したが、2万8000円台後半では売り圧力も強く上値の重い動きを強いられた。
前日の欧米株市場が全面高に買われたことでリスク選好の流れが続いたものの、日経平均は前日までの3日続伸で1000円以上も水準を切り上げていたことで、目先スピード警戒感から買いを手控える動きも出ている。中国や香港株が堅調な推移をみせていることは投資家心理にプラスに働いているものの、日本時間今晩に発表が予定される8月の米CPIの結果を見極めたいとの思惑からいったん持ち高を調整する売りも出ているもようだ。
 
前日の米株式市場では主要3指数がそろって上昇した。ナスダック総合株価指数は前週末比1.3%上げた。米国のインフレ指標の伸びが鈍化するとの期待から買い戻しが入り、東京市場でも投資家心理を支えた。
 
日経平均株価を対象としたオプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は下落した。一時前日比0.6ポイント低い18.5を付け、8月19日以来およそ1カ月ぶりの水準まで低下した。
 
日経平均は12日までの3営業日で1100円超上昇していた。市場では「米国の金融政策を左右するインフレや景気動向に対する市場の見方が定まっておらず、上値では利益確定や戻り待ちの売りが出やすくなっている」との声があった。
 
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。午前終値は前日比4.75ポイント(0.24%)高の1984.97だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆2542億円、売買高は4億8902万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1013と、全体の約55%を占めた。値下がりは717、変わらずは107銘柄だった。
 
市場からは「(日本時間13日夜発表の)米8月CPI(消費者物価指数)を控えて上値が重い。物価指標発表に向けて米国株は上昇しており、好結果にならないと売られるリスクがある。また、週末の米トリプルウィッチング(米国版メジャーSQ)を前に買い戻しが入っているが、それも通過すれば下落リスクに変わってくる」との声が聞かれた。
 
 



業種別株価指数(全33業種)ではその他製品、陸運業、空運業の上昇が目立った。下落は精密機器、輸送用機器、保険業など。
 
個別では、新発売ゲームソフトの販売が好調だった任天堂が売買代金トップで株価を大きく上昇させたほか、日本郵船、川崎汽などの海運株も堅調。JR東日本、JR東海など電鉄株が買われ、TDK、住友鉱、レノバ、デンソーも高い。日医工、HEROZはいずれも2日連続のストップ高に買われる人気となった。トルクも続急騰となった。
 
半面、レーザーテック、キーエンスが冴えず、三菱自やホンダも軟調。オリンパス、三越伊勢丹が下げた。東電HDやシャープも売られた。シーアールイーが急落、リブセンス、アイスタイルなどの下げも目立った。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次