7日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比130ドル30セント(0.33%)高の3万8791ドル35セントで終えた。
米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの期待が相場の支えとなった。アナリストが投資判断や目標株価を引き上げたエヌビディアなど半導体株が上昇し、主要ハイテク株も全般に買われた。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が7日の米議会証言で、利下げ開始に必要な確信を得るまでには「そう遠くない」と発言。「利下げに前向きな姿勢」と受け止められたことも相場の支えとなった。
6日の下院での議会証言と同様に、米景気の先行きにも楽観を示した。市場ではFRBが年央に利下げを始めるとみる参加者が多く、米景気後退を回避できるとの見方が投資家心理の改善や買い安心感につながった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、アナリストが目標株価を引き上げたエヌビディアが4%あまり上げ、上場来高値を更新した。半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーも投資判断や目標株価の上方修正を受けて買われた。主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3%強上昇し、過去最高値で終えた。
ダウ平均ではインテルの上昇が目立った。ハイテク株全般に買いが及び、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトも高い。アメリカン・エキスプレスやキャタピラーも買われた。一方、アムジェンなどは下げた。
ダウ平均は伸び悩む場面もあった。主要株価指数が最高値圏で推移し、過熱感や高値警戒感が意識されやすい。8日に米雇用統計の発表を控え、持ち高を傾けにくい雰囲気もあった。
S&P500種株価指数は続伸した。前日比52.60ポイント(1.03%)高の5157.36で終え、1日以来、ほぼ1週間ぶりに最高値を更新した。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比241.832ポイント(1.50%)高の1万6273.375で終えた。半導体関連以外ではメタプラットフォームズの上昇が目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
7日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比575円安の3万9530円で終えた。7日の日経平均株価が今年最大の下げ幅となり、シカゴ市場の先物にも売りが優勢となった。外国為替市場で円高・ドル安が進み、輸出関連の採算悪化を懸念する売りにつながった。
NYダウ平均は、米半導体大手インテルなどハイテク銘柄が買われ、続伸した。
シカゴ日経225先物 6月限 (円建て)
39530 ( +170 )
シカゴ日経225先物 6月限 (ドル建て)
39625 ( +265 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
7日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸し、前日比13.15ポイント(0.17%)高の7692.46で終えた。医薬品株や素材関連株にも買いが入った。
FTSEの構成銘柄では、2023年12月期決算で前の期比で大幅な増益となった有害生物管理会社レントキル・イニシャルが17.67%高と大きく買われたほか、鉱業大手アングロ・アメリカンは5.09%高、オンライン食品販売大手オカド・グループも4.66%高となった。
一方、事業を展開する地域での規制変更が2024年12月期の利益を圧迫するとの見通しを示したことが嫌気された賭け屋大手エンテインは4.87%安、金融大手HSBCホールディングスは3.48%安、通信大手エアテル・アフリカは2.68%安。
FTSE100種指数の構成銘柄以外では、英住宅金融大手ネーションワイド・ビルディング・ソサエティーによる買収が明らかになったデジタルバンクのヴァージン・マネーUK株が前日比で約35%高と急伸した。
7日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。終値は前日比126.14ポイント(0.71%)高の1万7842.85で、4営業日ぶりに最高値を更新した。欧州中央銀行(ECB)が7日の定例理事会で政策金利の据え置きを決め、インフレ見通しを引き下げたことなどが、投資家心理の支えとなった。住宅やテクノロジーの関連株に買いが入った。銀行など金融株も上げた。一方で自動車株には売りが優勢だった。
個別では、医療機器のザルトリウスが3.66%高、コメルツ銀行が3.27%高、香料大手シムライズが3.21%高と買われた半面、化学品商社ブレンタークは5.76%安、フォルクスワーゲン(VW)グループの持ち株会社ポルシェSEは1.24%安、自動車部品大手コンチネンタルは1.21%安で引けた。
欧州株式市場では、主要な株価指数が軒並み上昇した。フランスのCAC40の終値はCAC40が前日比61.48ポイント(0.77%)高の8016.22で9営業日ぶりにそれぞれ史上最高値を更新した。
