続伸117ドル高、中東情勢緩和を好感

24日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前営業日の22日に比べ117ドル12セント(0.33%)高の3万5390ドル15セントで終えた。8月上旬以来の高値。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ局面が終了したとの見方が引き続き相場を支えた。もっとも、感謝祭の祝日の翌日で短縮取引となり、積極的な売買は手控えられ、上げ幅は限られた。
 
中東情勢を巡っては、イスラエルとイスラム組織ハマスが合意した4日間の戦闘休止期間が24日に開始。地政学リスクの緩和に伴う原油先物相場の下落が株価を押し上げた。
 
株式市場では物価上昇の一服を背景に、FRBが利上げ局面を終えたとの受け止めが広がっている。米経済の底堅さも株式相場の追い風となった。
24日は米国での年末商戦が本格的に始まる「ブラックフライデー」にあたる。消費関連株の一部に買いが入り、投資家心理を支えた面があった。
 
市場では「参加者が少ないなかでも相場が持ちこたえているのは前向きな動きだ」との声が聞かれた。
 
24日の米債券市場では長期金利が前営業日の終値(4.40%)より高い4.4%台後半で推移した。金利の上昇で相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た面もあった。
 
個別では、小売りのウォルマートやホームセンターのホーム・デポ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスなどが上昇。石油のシェブロンや建機のキャタピラーも買われた。一方、スポーツ用品のナイキとソフトウエアのマイクロソフトは下落。中国のネット通販セールで販売が振るわなかったと伝わったスマートフォンのアップルも売られた。
 
ダウ平均は週間で442ドル上昇した。上昇は4週連続で、3~4月以来の記録となった。
 
ナスダック総合株価指数は反落した。前営業日比15.002ポイント(0.10%)安の1万4250.855で終えた。週間では4週連続で上昇した。
 
交流サイトのメタ・プラットフォームズやネット検索のアルファベットなどが下落。画像処理半導体のエヌビディアも売られた。米国による先端半導体の対中輸出規制の強化を巡り、規制に対応した半導体の出荷が遅れそうだとロイター通信が24日報じ、株価の重荷となった。
 
24日は感謝祭の翌日で、米株式市場は午後1時までの短縮取引だった。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 

24日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前営業日比30円安の3万3740円で引けた。
休場明け24日のニューヨーク株式相場は、中東情勢の緊張が和らいだことが好感され、続伸した。ただ、米長期金利の上昇が株式相場の重荷となり、日経平均先物にも売りが波及した。

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

24日のFTSE100種総合株価指数は小幅に続伸した。前日に比べ4.62ポイント(0.06%)高の7488.20で終えた。

コモディティーの比重の高い英株では、エネルギー株の上昇が全体を下支えした。小売大手テスコやネットスーパーのオカド・グループなど小売り株が上昇した。

半面、ブックメーカー(賭け屋)のフラッター・エンターテインメントなど消費者向けサービスの関連銘柄は下げた。

FTSE100種指数は前日終値を下回って推移する場面も目立つなど、明確な方向感は乏しい展開だった。

FTSEの構成銘柄では、ホームセンター大手キングフィッシャーが2.05%高、オンライン食品販売大手オカド・グループが2.00%高、小売大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールが1.68%高。会計ソフト大手セージは2.34%安、投資信託スコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストが1.47%安だった。

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数

24日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸し、前日比34.76ポイント(0.21%)高の1万6029.49で終えた。終値が1万6000台となるのは8月上旬以来、約3カ月半ぶり。

ただ、祝日明けの米国株式市場が24日も短縮取引になるとあってドイツ株の売買高は通常より少なめだった。数カ月ぶりの高値圏で推移していることもあり、指数の上値は重かった。

出資する石油・ガス開発大手の独ウィンターシャル・デアに対してアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社(ADNOC)が買収を検討していると伝わった独BASFなど化学、工業関連の銘柄に買いが入った。

 
個別では、素材化学大手コベストロ(2.22%高)や自動車部品大手コンチネンタル(2.03%高)、高級自動車ポルシェ(1.89%高)などが買われた一方、業務用ソフトウエア大手SAP(1.00%安)や製薬大手バイエル(0.93%安)が売られた。

 

■フランス・パリ株価指数

 フランスCAC40種指数は0.20%高(週間で0.81%高)だった。  エネルギー株の上昇が全体を下支えした。 

 

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