【寄り付き概況】
9日の日経平均株価は続伸して始まった。始値は前日比47円11銭高の2万9435円61銭。
取引時間中としては前日の高値を上回り、1990年8月以来およそ30年半ぶりの高水準となった。米追加経済対策が早期に成立し、景気回復を後押しするとの期待から上昇した米株式相場の流れを引き継いでいる。
前日の米国株市場では主要株指数がいずれも上昇し、投資家のリスクを取る動きに変化はみられない。NYダウ、ナスダック総合指数ともに最高値更新、NYダウについては6日続伸と上値指向が強い。
米民主党は財政調整法を活用して、単独で追加の経済対策を成立させる手続きを進めている。市場では失業給付の特例措置などが失効する3月中旬より前に成立するとの見方が強まった。景気持ち直しへの期待が広がり、リスク許容度の改善につながっている。
日米ともに製造業を中心に好調な企業決算の発表が相次いでいることが、マーケットのセンチメントを強気に傾けている。ただし日経平均は前日までの直近2営業日で1000円を超える上昇をみせていることもあり、きょうは上値も限定的となりそうだ。
ただ、日経平均は前日に600円超高と急伸していたこともあって利益確定目的の売りも出やすく、上値は重い。
JPX日経インデックス400、東証株価指数(TOPIX)も上昇して始まったが、いずれも下げに転じる場面があった。
業種別株価指数では堅調な原油相場を受けて鉱業や石油が上昇。一方、鉄鋼や不動産などが安い。
個別では、好決算を発表したソフトバンクGが大幅高となり、株価は一時1万円を上回った。スクリンやヤマトHD、東洋紡も上げている。野村やアドテストも高い。
一方、バンナムHDが大きく下げている。太陽誘電や丸井G、高島屋も安い。マツダ、ソニー、日立、富士通がさえない。
