1日午前の日経平均株価は続伸し、前日比58円88銭(0.21%)高の2万7646円34銭となった。
きょう前場は売り買い交錯の展開となり、日経平均は狭いレンジでのもみ合いながら強含みで推移した。前日の米国株市場ではNYダウやナスダック総合株価指数など主要株価指数が揃って反落する展開となったが、東京株式市場ではFOMC前で買い手控えムードはあるものの、下値では押し目買いが活発で強調展開を維持した。香港株などアジア主要国の株価が大きく買われたことも投資家心理にプラスに働いた。値上がり銘柄数、値下がり銘柄数ともに800台で拮抗している。
主要企業の決算発表が本格化するなか、個別株の物色が目立った。通期の業績見通しや年間配当を引き上げたJTのほか、業績見通しを上方修正したコマツに買いが入った。一方、4~9月期の業績が市場予想に届かなかった京セラが大幅安となった。
市場では「業績を材料視した個別株の売り買いが多いが、相場全体は短期目線の投資家の動きに左右されている」との見方が出ていた。日経平均はマイナス圏で推移する場面もあった。
気掛かりな点では中国経済の低迷も挙げられる。5年に一度の中国共産党大会が22日に閉幕し、習近平国家主席の3期目入りが決まった。3期目入りが確定すれば、それまで頑なに堅持していた「ゼロコロナ」政策も緩和されるだろうと予想していた向きも多かったとみられるが、実際、その後に緩和の兆しは見られていない。
むしろ、湖北省の省都・武漢や青海省の省都・西寧など複数の都市ではコロナ規制が強化されている。また、米アップルについては、中国鄭州市にある「iPhone」の主要製造工場において、厳格なコロナ対策が敷かれ、生産状況が混乱しているという。一部のアナリストは今後数週間で状況が改善されない場合、10-12月期のiPhoneプロモデルの出荷が1000万-1200万台不足する可能性があると指摘している。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6276億円、売買高は6億3187万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は881、値下がりは862、変わらずは92銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では卸売業、食料品、鉄鋼などが上昇。金属製品、海運業、電気・ガス業などは下落した。
個別では、NTNが大幅上昇した。レーザーテックが朝安後に切り返したほか、ソフトバンクグループも上値追いが続いている。メルカリが大商いで値を飛ばし、キーエンスも買われた。JTが商いを伴い異彩高。JVCケンウッドが急騰、日本冶金工業、ファイズホールディングスなども大きく買われた。三菱商や丸紅など商社株の一角が高い。SUBARUや日野自も上げた。
半面、日本郵船がやや売りに押され、川崎汽など海運株も安い。ファーストリテイリングも軟調、JR東日本も安い。NECや村田製作所も値を下げた。メンバーズが急落、LIXILも大幅安となった。
