続伸、米ダウ上昇や円安支え

4日午前の日経平均株価は続伸し、前週末比189円37銭(0.58%)高の3万2899円99銭で前場を終えた。

 前週を引き継いでリスクオンが継続、終始買い優勢の展開となった。日経平均は寄り後にいったん値を消す場面もあったが、その後は買い直され、前場はほぼ高値引けとなっている。前週末の米国株市場では8月の雇用統計発表を受け、FRBの利上げ長期化懸念が和らぎNYダウが反発したことで、東京株式市場でも市場センチメントが強気に傾いた。外国為替市場でドル高・円安方向に振れたことも輸出株中心に追い風となった。
 
1日発表の8月の米雇用統計では失業率が市場予想に反して前月から上昇した。労働需給の緩和を受けた米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測の後退が支援材料だった。4日の東京外国為替市場では円相場が1ドル=146円台前半まで下落し、トヨタや日産自などの自動車株への買いが目立った。
 
1日には東証株価指数(TOPIX)が約33年ぶりの高値を付けた。ピクテ・ジャパンの松元浩シニア・フェローは「TOPIXのバブル後高値更新で国内株式相場の強さが改めて意識された。週明けも日本株買いが続いている印象だ」と指摘した。
 
ただ、積極的に上値を追うムードは乏しかった。日経平均は前週末までに5日続伸し、週間での上げ幅は1000円を超えた。心理的節目の3万3000円が近づくに伴い、利益確定売りが重荷となった。米利上げ観測が後退しているものの、前週末の米長期金利は上昇しており、グロース(成長)株への買いを手控える動きもみられた。
 
8月31日に発表された最新週(8月21日~25日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物株を2週連続で売り越した。売り越し金額は2047億円と前週から売り越し額は縮小したものの。2週連続での売り越しは3月以来となる。個人投資家も現物株を1161億円と2週ぶりの売り越し、年金基金の売買動向を反映するとされる信託銀行は2週連続の買い越しとなった。海外投資家の売り越しが今後も続くかは注目材料となろう。さて、後場の日経平均はじりじりと上げ幅を広げる展開となるか。買い手優位の状況が続くか注目しておきたい。

 
 

 


 
TOPIXは続伸した。JPXプライム150指数も続伸し前引け時点で前週末比4.76ポイント(0.46%)高の1049.49だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6069億円、売買高は6億5492万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1368と、全体の7割超を占めた。値下がりは414銘柄、横ばいは50銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は海運業、鉄鋼、輸送用機器、不動産業、鉱業が上昇率上位。下落は水産・農林業のみ。
 
個別では、川崎汽船が高水準の商いをこなし大幅高、このほか商船三井など海運株が高い。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも上昇した。トヨタ自動車が買われ、ファストリ、TDK、三菱重工業も値を上げた。伊藤園が値上がり率トップとなり、ファーストブラザーズも値を飛ばした。村田製や住友不の上げも目立った。
 
半面、売買代金首位のレーザーテックがやや売り物に押されたほか、アドバンテストも軟調。ソフトバンクグループ(SBG)も冴えない。このほか、味の素、ニデック、シュッピン、ラクーンホールディングスなどが安い。

 

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