続伸、欧米株急伸を受け2万5000円台へ

【寄り付き概況】

10日の日経平均株価は大幅続伸して始まった。始値は前日比247円46銭高の2万5087円30銭。取引時間中に2万5000円の節目を上回るのは1991年11月5日(2万5100円68銭)以来、29年ぶり。
前日の欧米株市場が急騰した流れを引き継ぎ、東京株式市場でも主力株中心に広範囲に投資資金が流入した9日に米製薬大手のファイザーが開発中の新型コロナウイルスワクチンの治験で高い効果を示すデータを発表したことで、感染収束への期待が広がり投資家が運用リスクを取る姿勢を強めた。
 
9日、米ファイザーが独ビオンテックと開発中のワクチン治験で予防の有効性が90%を超えたとする初期データを発表したことで、感染収束と経済活動の本格再開への期待が広がった。同日のNYダウ工業株30種平均が前週末比834ドル高と急反発。欧州でもドイツ株式指数(DAX)が4.9%高など軒並み大幅高で終えた。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに続伸している。
 
米大統領選を巡って民主党のバイデン候補が当選を確実にし、不透明感が薄れたことも投資家のリスク資産に対する楽観的な見方を後押ししている。
 
外国為替市場では1ドル=105円台まで一気に円安が進展していることも追い風材料となる。自動車株など円安の恩恵を受けやすい業種に広く買いが集まっている。ただ、日経平均は前日まで5連騰で急速に水準を切り上げていることもあって、買い一巡後は伸び悩む可能性もある。
 
個別では、トヨタ、日産自、三菱自、SUBARUが買われている。花王、日立が高く、京セラは堅調。9日に関西みらいを完全子会社化すると伝わったりそなHDも高い。住友鉱、日本製鉄、神戸鋼なども買われている。
 
一方、9日に2020年4~9月期の連結純利益が前年同期比4.5倍になったと発表したソフトバンクGは安い。エムスリー、ヤマトHDなどコロナ禍に需要を伸ばした企業は売られている。
 

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