24日午前の日経平均株価は続伸し、前日比140円93銭高の2万6665円72銭で終えた。新型コロナウイルスのワクチン普及や英国と欧州連合(EU)の貿易交渉に対する期待から買いが優勢だった。景気敏感株を中心に物色が広がり、上げ幅は朝方に240円に迫った。
ただ、クリスマスイブで今晩の米国の株式・債券市場は短縮取引となることもあり様子見気分は強く、買い一巡後は一進一退の値動きとなった。
米製薬大手ファイザーが23日、新型コロナのワクチンを米政府に追加供給することで合意したと発表。ワクチンの普及に弾みがついて経済活動の正常化が近づくとの期待から、投資家が運用リスクをとる動きが強まった。
英国がEUとの貿易交渉で合意に近づいているとの観測も相場の支えとなった。日本時間24日夕にも結果が公表される見通しと伝わり、EU加盟国と同等の扱いを受けられる「移行期間」が終了する年明けの混乱への懸念が後退した。
もっとも、前場の東証1部の出来高や売買代金は少なく、国内外の機関投資家が積極的に株式市場に資金を投じている様子はない。売買が盛り上がったのは寄り付き直後だけで、買い一巡後は日経平均も個別銘柄も上値が重く、「閑散に売りなし」の状況だ。
年初来高値(2万6817円)が接近するに伴って高値警戒感が意識されたほか、国内外の新型コロナの感染状況の悪化も重荷で、積極的に上値を追うムードが生まれにくかった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続伸した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で8574億円、売買高は4億7368万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1556と、全体の約7割を占めた。値下がりは522銘柄、変わらずは106銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は鉱業、鉄鋼、非鉄金属、銀行業、空運業が上昇率上位になった。下落は情報・通信業など。
個別では、イオンは年初来高値。川重やIHI、三菱マや日軽金HD、三井金が買われたほか、日本製鉄、JFE、トヨタ、三菱自、マツダが上昇した。原油高を受け国際石開帝石や石油資源も上げた。レノバは大幅高。三菱UFJ、三井住友が買われ、日本電産、キーエンスも値を上げた。
半面、ソフトバンクグループ(SBG)が下落。日野自、任天堂、クラレやバンナムHDも下げた。ソニー、レーザーテックが軟調で、アドテストや東エレクなどハイテク株も軟調だった。
東証2部指数は前日比44.99ポイント高の6526.45ポイントと7日ぶり反発した。
出来高1億9108万株。値上がり銘柄数は267、値下がり銘柄数は137となった。
個別では、タビオ、カワサキ、東亜石油、旭コンクリート工業、サンセイなど6銘柄が年初来高値を更新。那須電機鉄工、Abalance、新内外綿、サイオス、アートスパークホールディングスが買われた。
一方、サイバーステップ、リミックスポイント、ニッキ、RVH、梅の花など8銘柄が年初来安値を更新。土屋ホールディングス、オーケーエム、児玉化学工業、フレンドリー、イクヨが売られた。
